◇いろいろなミニ横笛についての考察:その1◇


読んでいて不快な気分にならないために一応書いておきますが、これは随筆なので「ですます口調」はあえて殆ど使っていません。あらかじめご了承ください。

下に行くほど新しいログです。


2018/04/21

それにしても、アイリッシュ音楽やアメリカの鼓笛隊は別として、クラシック音楽のオーケストラでは「ピッコロはあくまでもフルートの持ち替え楽器に過ぎない」という位置付けらしい。
ところが私の場合は、まずメイン楽器がピッコロであり、フルートは低音用の持ち替え楽器という感覚が強いのだ。
別にフルートを片手間楽器として見ているのではない。そんな気持ちは毛頭なく、ホイッスルで言えば、高音域の目立つティンホイッスルがピッコロと同じ立ち位置にあり、縁の下の力持ち的な渋い印象のローホイッスルがフルートを連想させ、それぞれに代えがたい特有の魅力があるという考えだ。
くしくも担当する音域がそれぞれほぼ同じであるから、自分で言うのもおこがましいが、とてもわかりやすい。

アイリッシュ音楽のことは全くわからないのだが、その界隈ではティンホイッスルもローホイッスルもどちらも主役であり、どちらがメイン楽器かという観念は無いらしい。
アイリッシュ音楽では昔は高音域の担当はアイリッシュピッコロだったらしいのだが、それが時代の流れでティンホイッスルに取って代わられたという話を聞いたことがある。
だから現代ではティンホイッスルはメーカーも機種も実に数多く存在しているが、アイリッシュピッコロとなるとメーカーも機種も極端に選択肢が限られてしまうほど少ないらしく、事実その通りである。
この現象はピッコロ愛好家の私個人的には大変残念なことだ。

ティンホイッスルもローホイッスルもアイリッシュフルートも、アイリッシュのセッションでは皆同じくらい大活躍しているにも関わらず、アイリッシュピッコロだけが廃れてゆく・・・それが本当ならば実に寂しいことこの上ないではないか。

モダンピッコロなら、どれを選べばいいのかわからない嬉しい悩みを抱えるほど選択肢が実に多いが、キーレスピッコロとなると今言ったように本当に僅かな選択肢しかないのが現状だ。
モダンとキーレス、それぞれ活躍する音楽場面が違うのだから、音楽世界の事情に準じて流行るのも廃れるのも致し方ないことなのだろう。
それはそれで時代の流れとして受け入れるしかないことも充分理解している。

ちなみに日本ではファイフ人口が激減しているらしい。これは少し事情が違うそうで、ファイフは昔は学校の授業で使われていたが音を出すこと自体が子供には難しく、
音量縛りの制約があるとはいえリコーダーのほうが子供でも練習しなくても音自体は簡単に出せるために、学校で使われ出したからであるらしい。

しかしそれでも、いつか近い将来、アイリッシュピッコロもファイフも再び需要が増えて、たくさんの機種が世に出回るようになってほしいものだ。
そうでないと、せっかく昔は高音域担当のメイン楽器として大活躍していたアイリッシュピッコロやファイフなどのキーレス・ミニ横笛たちがかわいそうである。

モダンピッコロもアイリッシュピッコロもファイフも同等に扱ってもらえる、そして同等の需要がある、そんな時代がやってくることを切に願ってやまない。


2018/04/23

まだ入荷待ちなのだが、日々の手入れを欠かさずしたいほど大切な、大本命といえるフル・オーダーメイドのアイリッシュピッコロが1本ある。

大本命はそれでよしとして、仕事に持って行く(つまり万一盗まれたりしてもすぐに代わりを買える量産品の安い)ミニ横笛は何にしようかと考えてみた。
YAMAHAのファイフが2本(うち1本は改造用)あり、Aulosのファイフが1本ある。どちらも気軽に扱える総プラスチック製だ。

そしてディクソンのアイリッシュピッコロが1本ある。
しかしディクソンは歌口周りにあるリッププレートの独特の形状のためなのか他に原因があるのかは今後調べて解明していかないとわからないが、私にはなかなか綺麗な音を出しにくい。
私は頭部管をやや手前に回して吹かないとうまく音が出ないので頭部管が回せるチューナブルなDX015DとかDX016Dがいいとは思うし、ディクソンはティンホイッスルにおいても大好きなメーカーなので、できればディクソンのアイリッシュピッコロも増やしたいのだが、上記のリッププレートの形状のためにディクソンのピッコロは自分には向いていないのではないかと思うと、追加購入をためらってしまう。

モルノーの金色リングのBb管ファイフも候補には挙がっていたし、Coopermanの樹脂製のBb管ファイフもいいなと一瞬思ったのだが、それぞれデザインやキーや材質や、頭部管を手前に回せないことなどの関係で購入は早々に見送った。

APMアメリカンファイフ(金属製のC管ファイフ)も魅力的なのだが、全管一体型ゆえに頭部管だけを回して歌口を手前に持ってくることができないため、これもやはり購入を見送った。篠笛やクリスタルピッコロも同様の理由で購入は見送ろうと思う。

頭部管を手前に回して吹かないと綺麗な音を出せないので、ノンチューナブルの一体型だと私の場合は困る。我ながら困ったものだ。(シャレ?)

まぁ、仕事中は時間の都合もあって基礎練習しかしないのであるから、YAMAHAとAulosのファイフだけで充分のような気もする。

しかし、さすがに仕事には持って行かないとはいえ、趣味用のモダンピッコロを1本欲しいとまで思えてしまうのだから、ミニ横笛の持つ魔力は恐ろしい。
既に立派なミニ横笛狂だ。いいじゃないか、もっと狂おう。


2018/05/11

これが現在所有しているミニ横笛だ。

上から、
YAMAHAファイフYRF21が二本(一本は改造用)、AulosファイフC21、Tony DixonアイリッシュピッコロDXTradPである。

そして、今回オークションで落札したs.m JAPAN製のフォークピッコロ(folk piccolo)商品名コンサイスピッコロ(concise piccolo)が届いた。40年くらい前に日本木管楽器という会社が設計・企画・監修して興野製作所という工場が製造していたらしい。そんなの知らなかったわ。

そして更にあと少し待てば、大本命のフル・オーダーメイドのアイリッシュピッコロが届く予定だ。本当に楽しみだ。


2018/05/14

キーレスのミニ横笛が最も好きという自分の潜在的な嗜好に気づき、最終的にアイリッシュピッコロへの憧憬に目覚めたわけだが、
仕事中の練習用のファイフはともかく、次なる趣味用(プライベートでの練習用)のミニ横笛はどうしようかと考えてみた。

キーレス好きなのだからハミルトンのキーレス版やモルノーなど他メーカーのアイリッシュピッコロもいいなと思いながら仕事中にヤマハのファイフでサボ練をしていて、ふと気付いたというか、ひらめいたこと。

ちょっと待って? まだ笛職人さんが製作中で入荷待ちとはいえ大本命のアイリッシュピッコロがもうあるのだから、逆転の発想で、大本命アイリッシュピッコロの美しさを際立たせるためにあえて正反対の性質のピッコロを1本だけ所有するのはどうだろう?
つまり、管体全体が水道管シルエットではなく色も黒ではなく材質も木ではなく、そして何よりもキーが付いている、そんなピッコロ。要するに、カラーリングが黒以外の、木以外で出来たモダンピッコロのことである。

良い言い方をすれば、大本命アイリッシュピッコロとモダンピッコロそれぞれの個性を認め、モダンピッコロにも魅力をたくさん見つけられるように努力する。

悪い言い方をすれば、当面の間だけとはいえ、モダンピッコロには大本命アイリッシュピッコロの引き立て役になってもらう。それで大本命アイリッシュピッコロの美しさが更に際立つことになる(我ながらすっげーヤなやつ)・・・っと、これは完全な冗談なので本気にしないでほしいのだが、それはさておき・・・

私は正直言って、本当はモダンピッコロからももっともっと魅力を感じ取れるようになりたい。そうなれれば、好きなピッコロのタイプが増えて良い事ずくめではないか。楽器に限らず、無関心が好奇心へと変わり、愛情を注ぐ対象が増えるのは、薬にはなっても毒には決してならないだろう。

さて、大本命アイリッシュピッコロとは対極な性質のモダンピッコロで検討しているのは、GUO(ゴウ)ニューボイスピッコロだ。カラーバリエーションが6種類もあるし、オプションで3色くらいをまるで国旗のように配色できるそうなので楽しそうだ。
11万というとヤマハのYPC32よりもやや高い程度なので、割とお手ごろ価格。

同社のニューボイスフルートのほうは圧倒的にヤバイくらい「かっこいい!」と一目惚れしてソッコー買いしたのは記憶に新しいのだが、どうもニューボイスピッコロのほうのデザインは個人的に「なにこれヒョウタンみたいな変な形〜。タイプじゃなーい」としか思わない。それがデザイン面での率直な感想だ。

じゃぁ他の機種にしようかな、とも思ったのだが・・・ただこのニューボイスピッコロ、どんな個性的な音色なのかがすごく気になるので、できればこれを選びたい。

ニューボイスピッコロはフルートと同じくN響アワーで何度か使われたこともあるらしいので、プロの現場でも通用するほど立派な、かなり完成度の高いものであることは間違いない。だから品質面では心底安心してよさそうだ。

それに何よりも、ツイッターで実際にこの笛を所有していらっしゃる人の、「高音部が出しにくくて困ってたけど、これを吹き始めてからはすごく高音部を出しやすくなって助かってる」という意味のツイートを見て、同じく高音部を出すことが苦手な私はこの笛に一気に惹き付けられたことが大きい。
やはり、いくらアイリッシュピッコロと対極の笛を探すにしても、できる限り自分に合った笛を選びたいではないか。どんなにデザインが気に入っても特性が自分に合っていないと苦痛が抜けないのではなかろうか。

ヒョウタンみたいな形は見慣れれば可愛く見えてくるかもしれないからいいとしても、では色は何色にしよっかな。
私が体まで女性ならば迷わずピンクを選ぶのだが、男がそんなピッコロを吹いているのを人に見られたらヘンターイ扱いされること請け合いなので涙を飲んでピンクは諦めるよーうえーんこんちくしょー。


2018/05/16

アイリッシュピッコロの美しさを引き立たせるため、などと冗談めいて書いたものの、そういう比較無しに、純粋に個別の存在として単体でモダンピッコロを好きになりたい。
いや、今でも既に好きなのだが「好き」の意味合いが違っていて、フルキーゆえにトーンホールを100%確実に塞げられてピッチ合わせ・イントネーション揃えもアイリッシュピッコロに比べれば遥かに楽にできるから好きという、下手くそがほざくなんとも情けない意味の「好き」なのだ。

そうではなく、アイリッシュピッコロの上達のための研究と練習は永遠に続くとして、それとは全く別の領域でモダンピッコロ独自の魅力を感じ取れるようになりたい。
まず安定しやすい音程、音色の豊かさ、吹きやすさ、そして最後にデザインの好み・・・と、こういう順番で基準を付けるのが、あくまでも個人的にだが本来の見方だと思う。
まぁ、お値段も大事な基準ではあるがそれはちょっと違う話なので。

楽器をデザインから選別していく私はプレイヤーとして邪道なのだ。自分でよくわかっている。
ある楽器が素晴らしい特性を持っていても私にかかったが最後、デザインのほうを優先されてしまって楽器としての評価を付けてもらえない、そんな悲劇で終わってしまうとは、なんというバッドエンド。

もちろん、それではダメだ。
この歪んだ基準観(?)を直せるように今後は努力したいし、何よりも上手くなりたいからデザインなんかで選んでいる場合ではない。
デザインも見ながらでいいから、性能や特性はもっと重視して選別できるようになりたい。そうしないと私の場合は本当にいつまで経っても下手の横好き状態から脱出できないと思う。

・・・そう思いながら色々なメーカーのモダンピッコロを検索しているが、ジュピターやゲマインハート 4Wのデザインに後ろ髪を引かれる思いが消えない。いけないいけない。
人間だって外見なんかよりも心が大事でしょ。楽器も中身が大事なんですよ私ちゃん!

仮に、初心者向きでコスパがよくて癖がなくて品質が良くて長持ちして手入れにあまり気を使わずに済んで、消耗部品の在庫を含めたアフターサービスも万全で安心できるという贅沢な条件で選ぶとしたならば、やはりヤマハのプラ管YPC32を選ぶべきだろう。
ってかそれしか選択肢ねーんじゃね?

あるいはもうかなり頑張ってあと二つ上の機種でYPC62R(ページの上から2番目)とか。あの歌口のウェーブが初心者に優しいのは同社のファイフYRF21を毎日サボ練で吹いているから大体予想ができる。

まぁ、今はあまりお金がないので、とりあえず大本命アイリッシュピッコロの到着を心待ちにしてキリンになっていよう。


2018/05/22

それにしても、私が心底好きになった楽器というのは、どうしてこんなに知名度の低い超マイナー楽器ばかりなのだろうか?
最初のモダンピッコロはまぁまぁの知名度があるとしても、ティンホイッスルなんて初めて知った1998年当時は、アイリッシュをやっているか好きで聴いている人くらいにしか知られていなかったので、一般の情報はほとんど無いに等しく、パソコン通信フォーラム内やインターネットを検索しまくって、ティンホイッスルを置いていそうな店に電話もかけまくって教えてもらったりして、情報を探すのにかなり苦労したものだった。
それくらい情報があまりにも少なかった。
もちろんティンホイッスルの情報サイトなぞは当時は無かった。
・・・まぁ、だから、「なんでティンホイッスルの情報サイトが無いの!? 無いのなら自分で作っちゃえ!」と思って2001年3月13日にこのサイトを始めたわけなのだが、その話は今は関係ないので省く。

アイリッシュピッコロが正にその極端な例だ。先にも書いたとおり、超マイナーどころか絶滅危惧種のようではないか。まぁそんな嘆きもおいといて・・・

何も別にわざわざ好き好んで超マイナー楽器なぞは選びたくはないのだ。機種自体が少ないし演奏や手入れの方法は資料が最小限しかないor皆無なので独学をかなり頑張るしかないし、情報を探し出すのが大変だしアフターケアをしてくれる業者さんも極端に限られてしまうし、そんな楽器なぞ自分からは選ばない・・・・・・通常ならば。

ティンホイッスルにしろアイリッシュピッコロにしろ、心底好きになった楽器が、どんな時代背景やメーカーがあるのかを「後になってから」調べてみたら、本当にたまたま超マイナー楽器だったというだけの話なのである。
もしティンホイッスルやアイリッシュピッコロが例えばピアノのように誰でも知っている世界的に有名な楽器だったとしても、「大好き」という直感と世間への知名度とは全く関係ないので、やはり直感だけで選ぶに決まっている。
少なくとも私は今までずっとそうしてきた。

それがよりによって絶滅危惧種のような超マイナー笛に惚れこんでしまうとは、もう笑うしかない。

しかし別の見方をすれば、超マイナー楽器だからこそ、回り道をしたとはいっても出会わせてくれたことには本当に感謝の念が尽きないし、出会えたありがたみも喜びも倍増するというものだ。
「確率はものすごく低かったはずなのに、こんな超マイナーな楽器に出会えて盲目的に好きになるなんて、あぁ・・・なんという運命的な・・・」という風に。

でも、もうちょっと素直に言えば、今後この笛たちの知名度がもっと上がっていってほしい。いろんな面で苦労が絶えないから。

とか言いながら、演奏法や手入れの方法などで調べものをしなければならないような事態になった時、「やれやれ、またか・・・」と嬉しそうに独りごちることが増えている今日この頃であるから、超マイナー楽器奏者の悩みは案外、民族楽器を愛する者の特有の幸せなのかもしれないと妙に納得しつつ、今日は筆を置きたい。


2018/05/26

あれから更にググりまくって調べまくって、モダンピッコロの購入モデルが決定したので注文した。私にとって、これ以上のお気に入りのモダンピッコロは他にはまず無いだろう。

例の大本命アイリッシュピッコロについては、オーダー発注から1ヶ月以上待っているが、万一希望にそぐわないピッコロが届いたら、まぁ返品・返金は無理なので、「ここはこうしてほしかったのです」と言って、こと細かく加工した写真も、各部のディテールの説明も添えて、「今度こそ間違えないでくださいね」と言って再オーダーする予定だ。
その場合2本買ってしまうのだから2本分のお金がかかるが、まぁ仕方が無い。

首尾よく最初から希望通りの大本命アイリッシュピッコロが届いた場合は、大本命アイリッシュピッコロと上記のモダンピッコロの2本さえあれば、もうこれ以上欲しいアイリッシュピッコロもモダンピッコロも無いと確信している。それくらい自分の審美眼と選択には自信がある・・・とは言えないか。物欲にまみれている私だから今後もきっと、サブ笛としていろんなミニ横笛を買うに違いない。

ちなみにモダンピッコロはそのメーカーの中では一番安い機種で、本当に偶然たまたま一番気に入った機種が一番安い機種だったとは、なんという嬉しい偶然ではないか。
かつて、最も気に入ったティンホイッスルのディクソンSVがディクソンのラインナップの中で偶然たまたま一番安い機種だったことを知った、その時の再現だ。「安物の楽器は、質素な生活が好きな君のためにある」とでも言いたげな神の声が聞こえます(聞こえない)。
でも神様と守護霊さんには深く深く感謝している。


2018/06/02

やっぱり・・・デザインに負けてジュピターのJPC1010Eを選んでしまったwww
上で最も気に入るモダンピッコロを見つけたと書いたが、JPC1010Eがそれなのだ。

アイリッシュピッコロも同様にモダンピッコロもまだまだ下手くそだから、どの機種が自分に合っているかなどまだわからないので、どうしてもデザインが好みかどうかを最初の基準にしてしまう。
いかにも初心者の私がやりそうなことだ。

まぁでも、どんなに上達しても楽器のデザインが気に入らなければ、その機種ではいつまで経ってもあまりやる気が出てこないというのが今までの自分だったし、きっと今後もそうだろうと思うので、プレイヤーとして邪道とはわかっていても、まずはデザインを最優先して選び、後から体をその楽器の特性に合わせていくようにすれば、まーそれでいいんじゃない? カタイこと言わずにさ。

それにこれは本当に偶然なのだが、JPC1010EはABS樹脂管体だ。本来グラナディラなどの木で出来ている黒い部分がABS樹脂製で他の部分は主に金属製になっているので、プラスチック管楽器好きとしては、かなり心をくすぐられるし、材質の組み合わせ的にもかなり面白い。

だから、モダンピッコロの中では相当な安物とはいえJPC1010Eが一番気に入ったのであれば、今回の選択で正解だったのだと思う。たぶんメーカー保障が効く最低ぎりぎりラインの機種というところだろう。

最終的に死ぬまでに所有できればいいやと思っているゲマインハートの木製の4Wシリーズでさえ「僅かに高級品の領域に入るかな」という程度のお値段なので、我ながら本当に安上がりなプレイヤーだ。


2018/06/09

少し前に、
「モダンピッコロよりもアイリッシュピッコロのほうがシルエット的・デザイン的に好きだからアイリッシュピッコロの引き立て役としてモダンピッコロを並べて比較してアイリッシュピッコロの美しさを際立たせて・・・」
と大変野暮でナンセンスで意地悪で初心者丸出しで素人臭いことを書いたが、今回入手したモダンピッコロJPC1010Eをずっと眺めていると、いやいや、なかなかどうして、これはこれで充分すぎるくらいの美しさを持っているではないか。
小さく細かく入り組んだキーメカニズムの機能美、キー1つ1つの造形美、そして緩いコニカルボアとの合体美、
モダンピッコロはモダンピッコロで、他と比較する必要のない独自の美しさを備えている。

そのことに、最近やっと気づいてきた。

車に例えるなら、キーレスのアイリッシュピッコロが公道を走る一般大衆車で、フルキーのモダンピッコロは一般大衆車にメいっぱいドレスアップと改造を重ねたレーシングカーのようであり、そしてどちらも美しいと感じる。

物に対して感じ取る美にはこれといった基準はなく、個人個人で基準が大幅に違ってくることは周知の事実であろう。
モダンピッコロのジョイント部分が円筒形ではなく膨らみがあるほうが美しいと感じる人もかなり多いだろうし、リコーダーのようなあの曲線に美を感じる人も多いだろう。

余談だが、私はなぜかリコーダーのあの造形には美を感じることができず、どうしてもディクソンSVのような水道管シルエットのほうにばかり魅力を感じてしまう。
なぜなのか?
もし自分自身のプロポーションが水道管のようなズンドウ体型だったら嫌なのだが、笛にはそれを求めてしまう。

いや、そんなことはどうでも良い。モダンピッコロ独自の美しさに気付けただけでも幸せだ。
ティンホイッスルと同じくらいアイリッシュピッコロは美しい。そしてモダンピッコロにはそれにしかない美しさがある。

この調子で他のあらゆる楽器たちにももっと美しさを感じ取れるようになりたいものだ。(それこそお調子者?)


2018/07/08

やっとキターーー!! やっと届いたーーー!! 大本命のアイリッシュピッコロ、Skip Healy Piccoloだー!!


↑これですよ、これ!!

これが、入荷を待ち望んでいた最も理想的なデザインの大本命アイリッシュピッコロだったのだーーー!!

いえーーーい!! 可愛がるぞ〜! 練習しまくるぞ〜!

おっと、ここでは清楚でお上品な口調でいくとするか。


2018/07/12

ベルギーのメーカーCoulon DuffyのD管ファイフ CD012が、もうすぐ届く予定だ。アルミの削り出しというゴールディチーフテンのようなファイフである。

ただ、このDuffy社を含め割といろんなメーカーで見られることなのだが、Bb管やC管をファイフと呼ぶのならわかるのだが、D管までピッコロと呼ばずにファイフと呼んでいるメーカーが、ちらほらある。
おそらく皆さんそこら辺はけっこうアバウトなのだろう(笑)
なので今回届くDuffyもD管なのだが社内での名称はファイフとされている。
もっとも、左手のサムホールが空いているゆえにファイフと呼ぶべきかもしれないので、私もこの笛のことはファイフと呼ぶことにする。

さて、Duffyファイフの話は一旦終わらせて・・・・・・

 

もう一つ、GUO Shining Piper(Colorful Edition)の新品をeBay経由で購入して、これも届くのを待っているところだ。こちらはC管な上に左手のサムホールも開いているのでれっきとしたファイフだし、実際GUO社でもファイフと呼んでいる。

GUO Shining Piperは、まだ手の小さな幼児向けに開発されたフルキーのファイフで、構造上、最低音のCの次のC#だけが出せないことを除けば、他は全ての音域において全ての半音が出せる、非常に画期的なファイフなのだ。
これを知った時は本当に驚いたものだった。
これはもう「キー付きファイフ」や「フルキーファイフ」などという生半可なネーミングではなく、れっきとした「モダンファイフ」と呼んでもいいと思う。
モダンファイフという呼び方は私が思いついたものだが、既に他の誰かが同じ呼び方をしているかもしれない。

最低音の意味でもキーメカニズム的にもモダンピッコロとは違うので、やはり私はモダンファイフと呼びたい。
このShining Piperを皮切りにモダンファイフという呼び方が世の中に定着していってくれはしないだろうかと、密かに願っている。そうすればミニ横笛自体の知名度も需要度もグッと上がるだろう。

「モダンピッコロを持っているのに、なぜ敢えてShining Piperなどという安物の子供だましのキー付きファイフを買うのだ?」と意見される方もいるかもしれない。
だが私はShining Piperの、キーメカニズム的には極めてシンプルでありながら12音階を出せるという発想と設計技術により、ファイフの可能性を無限大に広げてくれたGUO社に感謝の意味を込めて、そして先述のとおりミニ横笛の知名度と需要度アップを願って購入したのだ。

そういったShining Piperへの驚きとカラフルな可愛らしさに負けて、気付いたら指が勝手に購入ボタンを押していた。私が押したのではない。後ろの天使たちが勝手に私の手を操って購入ボタンへと導いたのだ。断じて私の意志では・・・・・・ないわきゃないわな。

色は何色にしたのかと思われるだろうが、私は他の笛でもどうせ誰にも見られない場所で吹くことが多いし、この色のShining Piperを見られそうになったら恥ずかしいからすぐに別の笛に持ち替える。だからShining Piperはこの色でいいのだ。この色が心の底から欲しかったのだ。
だって乙女心をむっちゃくすぐられたんだよーーー。クリスタルも付いててキラキラで綺麗じゃんかよーーーときめくじゃんかよーーーおおお。いいじゃないかよーーーおおお。どうせ誰にも見せないんだからいいのさ・・・

そうさ・・・ Shining Piper(Colorful Edition)の一番下のBubble Gum Pinkにしたさ・・・ 心は6歳幼女でも体が男の私がピンクのファイフを吹くのだ・・・
どうだね!? さぁ笑え!! お腹かかえて笑うが良いぞ諸君!!( ̄^ ̄)
(開き直って尊大な態度になって恥ずかしさを誤魔化してる)

あー・・・女に生まれたかったわーほんまにー。

後日、Shining Piperが届いたのでページを作った


2018/07/14

とは明治製菓のバターココナツチョコレートのCMの謳い文句だが、

そう、日本でこのフルキーファイフを持っている人はおそらく殆どいないだろうと思う。これを買うのなら同じフルキーファイフ属のShining Piperを買ったほうが値段的にもお得だし、機能的にも遥かに実用的だからだ。
にも関わらず私は海外の別のメーカーのカタログでこの珍しいフルキーファイフを見つけ、注文した。数日中に届く予定だ。同じフルキーファイフ属でもShining Piperとは全く違う性質の笛である。

こんなに良い意味で狂ってしまうのだから、ミニ横笛の持つ魔力は本当に恐ろしい。そろそろ購入欲にブレーキをかけないと、またたく間に「預金残高ゼロ」が近付くこと請け合いだ。

このフルキーファイフが届いたら比較的すぐに撮影して吹き心地の感想をアップできるだろうが、「なぜわざわざこの機種を選んだのか?」と首をかしげる人が圧倒的に多いだろうと予測している。
いや別に、人と違う笛を持ちたいなどの目立ちたがり屋な理由からではなく、周りの人たちとは一切関係なく、単に「とにかく頑丈な作りのフルキーファイフが欲しい」というどこまでも個人的な理由に過ぎないのだ。

なぜ「とにかく頑丈な作りのフルキーファイフが欲しい」と思ったのか、それはまた後日説明したい。

後日このフルキーファイフが届いたので説明している。


2018/07/16

大本命の宝物のヒーリーピッコロをケースから出して、自然風に当てている。
当然エアコンは切っている。朝から暑くてエアコンは切りたくないが冷暖房の効いた空気は木の笛の健康に非常に良くないので切っている。
というかエアコンを切らなければケースから出して外気にさらす意味がない。

木の笛は時々自然の風に当てないと寿命が縮むそうだ。考えてみれば当たり前かもしれない。水分含有量が変動しやすい木の笛は生きているのだから、健康管理に気を配ってあげなければ。

不思議なことに、この笛を見つめていると心が落ち着いてくる。
それまで仕事や私生活でささくれ立っていた心のトゲが1本ずつ抜けていくような気分だ。
日本刀の手入れをしている人が「心が落ち着く」と言うのと似た心境なのだろうか? よくわからないが、心の一服の清涼剤になっていることは確かだ。

おぼつかない手付きながらもピアノを弾いていても楽しいし心も落ち着いて癒やされるのだが、なんとなくヒーリーピッコロのほうが「落ち着き」とそれによる「癒やし」の効果がより強い気がする。
その理由はやはり、ピアノよりもピッコロのほうが「好き」の度合いが強いからに他ならないだろう。

楽器は全て生きていると思う。
そして、自分が好きな楽器に対しては「生きてくれていて、ありがとう」という気持ちになるものだ。
人によって違うかもしれないが、私はそういう風に思う。

好きな笛の健康のために、あえてエアコンに当たらずムシムシジメジメとした不快な夏の自室の中で過ごすのも、またオツなものである。


2018/07/28

最も好きな笛がシリンディカル・ストレート・水道管デザインのキーレスのアイリッシュピッコロ、要するにヒーリーピッコロだということは何度も言っているが、
「それならば他に所有しているミニ横笛も、デザインは置いておくとしても、キー付きじゃなくてキーレスにすればいいのに」と思う方もいらっしゃるだろう。

しかし私の価値観では、大本命のヒーリーピッコロ1本だけがあればキーレスはそれ1本だけで充分満足であり、むしろ他にキーレスを所有するとヒーリーの有り難みが薄れてしまいそうでイヤなのだ
だからヒーリーを入手した後は極力キーレスは買わないことに決めている。

個人的に好きな中国メーカーのGaleónが現在アイリッシュピッコロの試作品を開発中で、時々テスト的なプロトタイプを僅かに作っては更に改良を繰り返しているようだが、そのGaleónでさえも、今後プロトタイプではなく正式な商品版が発表された時のデザインが気に入らなければガッカリすると思う。

だが、デザインにこだわってばっかりいる私のくだらない基準はどうでもいいとして、
Galeónピッコロのプロトタイプは筒音がとても良い音で響くらしいので、正式な商品版の販売が始まったら、たとえ好みではないデザインであっても、どういう吹き心地や音色なのか非常に興味があるので1本だけは絶対に欲しいし、実際、とある人を介して間接的にではあるがGaleónのアンディ・シューさんに「正式な商品版の販売が始まったら真っ先に購入します」と約束もしている。

Galeónなどの特別な例外は別として、それ以外ではキーレスミニ横笛は今後は殆ど所有するつもりはない。キーレスミニ横笛はお気に入りの1本か2本があれば充分なのだ。

私がヒーリーを手に入れるよりも前に持っていたキーレスミニ横笛を最近になって少しずつ手放し始めているのは、そういう理由も割と多い。

「せっかく20年間もティンホイッスルで鍛えたテクニック、右手と左手の全ての指穴を自由自在に半ずらしできるテクニックを持っているのに、所有するキーレスミニ横笛が1本か2本だけとは勿体ない。テクニックの持ち腐れじゃないの?」と思うかもしれないが、半ずらしテクはヒーリーやGaleónだけで充分発揮できるし楽しめるから、これでいいのである。

以前ここに書いた、「ヒーリーのキーレスの美しさを引き立たせるために他の横笛はあえてキー付きを買おうか」などという馬鹿げた考えは今では綺麗に消え去って、モダンピッコロやモダンファイフやフルキーファイフなどのフルキーミニ横笛の、その独自のデザイン的な美しさと機能美的な魅力を、今では充分感じられるようになった。自分の中で価値観がだいぶ変わってきたのだ。

素朴なキーレス、近代的で洗練されたフルキー、どちらにもそれにしかない独自の美しさと個性と魅力がある。それを感じられるようになったことが、最近最も嬉しかったことである。

とはいえフルキーミニ横笛は散々購入したので、もう欲しいモデルがなくなってしまった気がする。
モダンピッコロ2種類、同じモデルで色違いのモダンファイフ3本、フルキーファイフのDuffy CD052が1本、あとはもう他には無いような気がする。世界中のどこかにあったとしてもまだ見つけられずにいる状態だ。

余談だが、民族楽器界隈で「キー付きに逃げるのは甘え」という定説があるらしい。しかし私の場合はキーレスもフルキーも両方使いこなしたいと思っているので逃げでも甘えでもないし、上記のとおり事情が全く違うことを念頭に置いてほしいと願いつつ、今日はもう眠りに入ることにしよう。


2018/08/29

「ららマジ」というゲームだかアニメだかよく知らないのだが、その作品のキャラクターに小田桐アミ(おだぎりあみ)という18歳の最上級生のピッコロ(モダンピッコロ)奏者がいることを最近知った。
アミを知ったきっかけは、今になってはよく覚えていないのだが、確か「楽器 ピッコロ」でウェブ検索していて見つけたのだったと思う。

作品をよく知らないままキャラクターだけに興味が行ったのだが、
寿命であの世に行ったらこんな可愛らしい女子高生の姿になってピッコロを吹くのもかなり良いな、憧れるな、
と思いながらアミの設定を見ていたら。。。

似ている。私は「かわ」には該当しないが他の部分がよく似ているではないか。
と、アミの姿とパーソナリティを自分に重ねて楽しんでいる。

ただ、彼女が別の楽器を担当する設定でピッコロを吹かないキャラだったら、殆ど興味さえ持たなかっただろう。ピッコロを吹いているからこそ、ここまで彼女に憧れるようになった。
たまたまピッコロ奏者で目つきや性格も似ているところがある、これだけでアミに自己投影するほどお気に入りのキャラになるには充分だった。
挙句の果てにはツイッターのモーメントまで作ってしまう始末だ。
萌えではなく憧れの気持ちだ。いや別に萌えても罪ではないのだがそれを許さない何かがあるのだ・・・というか萌えてどないすんねん萌えてもしゃーないやろ。

あの世でアミになってピッコロを吹きたい、そんな願望が芽生えてきたが、私が一人で悦に入るのならともかく外部からの需要はあるのだろうか?

たまには本題から外れてこういう話をするのもいいしょー。

えっと、アミ関連であと一つだけ主張しておきたいことがあってそれがなかなか思い出せないのだが、このままでは「ピッコロへの想い」ではなく「アミへの想い」になってしまうのでそろそろ自粛。

 

・・・一週間後に思い出した。

アミを知って好きになったからピッコロに再チャレンジしようと思ったのではない。
ピッコロの再チャレンジを始めて半年くらい経ってからたまたまアミを知ったのだ。
ミーハーじゃないよ!ということが言いたかった。


2018/09/16

https://mobile.twitter.com/mea20sai_t_4sai/status/1039659082024505344

ツイッターにも書いたが、ピッコロを始めてから研究と練習と試行錯誤を繰り返して、半年もかかって、やっと自分なりの理想のアンブシュアを発見することができた。
もちろん吹き方のノウハウとして電子メディアや紙メディアに記録済みだ。

このアンブシュアをマスターすれば高音域でも小さな音量で吹けるようになる。
実際練習していると、時たま高音域でピアニシモに近い音が出るように徐々になり始めている。

今まではそれこそ「つんざく」ような高音しか出せなくて当然息の燃費もかなり悪かったが、それを改善できる糸口と突破口が、ツイートに書いているとおり9月6日木曜日から9月7日金曜日に日付が変わる頃のサボ練中に突然現れ、自分にとって最も理想的なアンブシュアの発見に繋がったのだ。

なんという嬉しいことだろう。あとは常に冷静さを忘れずに頭をフル回転させながら練習を頑張ればいいだけの話だ。

ちなみに私のサボ練方法は配達中に社用車を人気のない場所に停めて窓を閉め切ってエアコンもラジオもつけて練習する。そうすれば真夜中といえど笛の音など周囲には聞こえないからだ。

仕事だけに集中するのも悪くはないが、やはりサボ練はとても重要である。プライベート練習では思い付かなかったアイディアがなぜかサボ練中に浮かんでくることが多いからだ。
なんとも不思議なことだが、仕事で極度に気が張っていることがサボ練でもものすごい集中力を生み出し、インスピレーションを受けやすい状態になるのだろうか?

読者さんたちも、職業柄可能であればどんどんサボ練に励んで欲しいと願わずにはいられない。見つからないように要領よくサボ練をできるようになってほしい。
こーっそりと、ねっ☆


悪い子めあちゃん

 


2018/09/20

フルノーマルなのに、モダンピッコロのJupiter JPC1010Eは本当に少ない息量で低音部から高音部まで楽に吹けるピッコロだと感心している。
7万円台という、モダンピッコロとしては最下機種と言ってもいいくらいの超安物なのに、この吹きやすさと息の消費量の少なさは何だ?
こんなので高音部を小さめの音量で吹けるとは信じられない。
よっぽど私の唇と吹き方に合っているのだろう。

JPCはモダンピッコロの中ではデザインがシリンディカル・ストレート・水道管デザインに近くて最高に気に入ったから、まずはデザイン最優先で買っただけなのに、大好きなプラ管体だわ超格安だわ自分の唇と吹き方に合っているわで、嬉しい偶然がいくつも重なっている。
これはもう神様や守護霊さんやジュピターのメーカーさんにただただ感謝するばかりである。

ヒーリーもフル・オーダーメイドだけあって、アイリッシュピッコロの中では確かに1番吹きやすい。
JPCとヒーリーの両方に全く同じアンブシュア「ヨハンくち・アゴ開け低音・アゴ閉め高音」を使えることも、この2本を「持っているミニ横笛を好きな順に挙げてみる」にてトップ2にランキングさせている強い要素だ。

通常ならばメーカーによってアンブシュアを微妙に変えなければならないことが非常に多くて手間なのだが、ヒーリーとJPCの持ち替えにはその手間がない。
全く同じアンブシュアでイケルのでヒーリーとJPCを5分ごとに持ち替えて交互に吹いてもすぐにマトモな音を出せる。これはラクだ。

ヒーリーとJPC、2本ともデザイン、材質、配色、そしてなんといっても吹きやすさの点で最も気に入っている。気に入らない部分は無く100%満足している。
もちろんヒーリーが大本命ではあるのだが、管体のデザインが似ているという意味でJPCはヒーリーのフルキー版・モダン版という感覚でいるため、ヒーリーと同じくらいJPCを好きになってしまいそうだ。
くしくも、どちらも最も好きな配色「黒地に銀色」なのでますます「どちらがより好きか」がわからなくなってくる。

最近この2本は私の中でトップ争いを繰り広げていて、3位以下を大きく引き離している。今後このトップ争いに加わってくるミニ横笛は現れるのだろうか?
それは今まで所有したことのない、いや、まだこの世に生まれてさえもいないミニ横笛なのは間違いないと思う。
この世に生まれてさえもいないという意味では、Galeónが開発中のアイリッシュピッコロが、場合によっては未来のトップ争いに参加できる有力候補なのかもしれない。

有力候補がいつまでも現れなかったら、もちろんそれはそれで全然構わない。今のままで充分すぎるほどに満足していて幸せなのだから、これ以上を期待するのはあまりにも贅沢というものである。


2018/09/25

それにしても、ずいぶんミニ横笛を揃えたものだと我ながら感心する。

「持っているミニ横笛を好きな順に挙げてみる」
の通り、現時点で所有しているミニ横笛は合計12本だ。
Shining Piperを色違いで3本持っているのだが、それをダブリの機種だから1本と考えるか、色が違うからやはり3本と考えるか、私なら後者の3本の考え方を選ぶ。なので合計本数はやはり12本なのだ。

機種別という意味で考えれば10種類になるが、同じ機種を10本持っているのではなく、それぞれ全く違った機種を10種類持っているのだから、種類という意味でもやはり多い。
濃いマニアの人に言わせればまだまだ全然少ないのだろうが、私にとってはかなり多い。

考えてみたのだが、仕事中にサボレンができないような職種だったとしたら、ここまで増えていただろうか?

現在、プライベートはもちろんのことサボレン用としても使っているミニ横笛は、ディクソンDXTradPと、ディクソンDX015Dと、キーレスダッフィーCD012と、ヤマハYRF21と、Shining Piperの赤と、PlayTec PTPC300で、これらをその日の気分や目的に応じてどの機種を仕事に持って行くかを決めている毎日だ。

今挙げた6本の内で完全にサボレンにしか使わない機種というのは無く、プライベートでも何かしらの理由で吹くこともよくある。
ということは、仮にサボレンができない仕事に就いていたとしても、やはり今と同じ所有状態だったのかもしれない。

吹かずにコレクションしているわけではなく代わる代わる全部吹いているのだから、笛たちも幸せだろうなと思う。

−−−−

メモ欄。日々アップグレードしているアンブシュアの記録。

・下唇に軽く触れるだけ。決して押さえつけない(アンブシュアの自由度が大幅に奪われるので)。
・息圧で粘膜を裏返す。通称モルノー肉。
・あとは低音ほどアゴを開けて高音ほどアゴを閉めれば息のビームの角度が自動調整される。
2018/09/24 お昼の12時20分に記録。

後日談:
ヒーリーピッコロのアンブシュア。チョ〜攻め口・モルノー肉。これだけ。
簡潔明瞭だが、とても重要なことなので絶対に忘れないでおこう!!
昼間の自宅練習で洗面所の大きな鏡を見ながら編み出した新しいアンブシュアだ。こうして日々の研究とテストプレイによってアンブシュアは進化していく。


2018/09/29

今日はアンブシュアの話を。

自分にとって理想のアンブシュアを発見できた今だから言えることなのだが、
実は私の唇の形は、上唇の真ん中にコブというか出っ張りがあり、そして下唇がやや厚めのために、上唇のコブ逃がしがなかなか上手くいかないことが多かったのだ。
綺麗な楕円形のアパチュアにならずに、いわゆる「富士山アパチュア」になってしまい、息のビームが二つに別れてしまって音自体が出ないことも時々あった。

おそらく、22年前のYPC62撃沈事件の大きな原因は、その富士山アパチュアが一時的に出てしまった時に「なぜ音がかすれるのか?」を冷静になって考えずに、富士山アパチュアになってしまっていることにさえ気付かずに、つまりどうやって上唇のコブを逃がすかさえも思い付かずに、ただ焦って力み返って吹き込んでいるうちにアンブシュア自体がガチガチになってしまったから全く音が出なくなってしまったのだろう。
当時をよーく思い出してみると、どうやらそれで間違いなさそうだ。

最近気付いたこととはいえ、我ながらアホだったわーーー。アホの極地やんけ。まさに「いろは坂のサルじゃねぇんだから、ちったァ頭使えよ」だぞ私。
このセリフは「頭文字D」での須藤京一の名言だが、当時この漫画を読んでいてこのセリフに出会ったのが1997年の前半あたり、ちょうどYPC62の音が全く出なくなって多大なショックにより絶望して廃人同様になっていた頃だったのだ。それを今になって思い出したのだが・・・

もしかしたら後ろの守護霊さんが私に
なぜ音が出なくなったのかをよーく頭を使って分析しなさい。君は焦りすぎているだけだ。冷静になって原因を究明して練習し直せば、必ずまた音が出るようになるよ
と言いたくて、私が絶望して廃人同様になっているところに助け船を出す意味で、この「いろは坂の〜」のセリフに出会わせてくれたのかもしれない。当時それに気付いていれば挫折することもなかったろう。
だから、22年間経ってしまってから言うのも実に滑稽だが、守護霊さんありがとう。今後はあなたの指導によくアンテナを張り巡らせるようにします。

今年2018年の3月初頭からミニ横笛を始めて、以後半年間余り、理想のアパチュアを作るためのアンブシュアを毎日必死で模索してきた。
それこそ仕事中も短い時間を見付けては鏡と頭部管の息の跡を見ながら、コブ逃がしのためのアンブシュアの研究とトライ&エラーを延々繰り返してきた。

そしてある日、ツイッター検索で「American Fife」で検索している時に、このツイートにある画像の、アメリカンファイフ奏者のアンブシュアを見て、衝撃を受けた。
https://twitter.com/ENcommunities/status/220604206179028992

それについての私のツイートが以下の二つ。

https://twitter.com/mea_dot_jp/status/993718295311220736

https://twitter.com/mea_dot_jp/status/1026727722377048064

というように、息圧で上唇の粘膜を裏返せばコブ逃がしができるし真下に近く吹き込むこともできるし、何よりも必要最小限の筋力で殆どリキまずにアンブシュアを維持できることを発見したのだ。これは実に理想的だ。
私は下唇のほうがやや出ているので、ジェームス・ゴールウェイが言っている「真下に吹け!」が実践できずに難儀していたが、この「息圧裏返しコブ逃がし方法」を習得すれば、今までの問題が殆ど解決できるではないか!!
それに、立花雅和さんが言っている「アパチュアは息圧で開ける」にも適っている。

更に、音量が大きくなりやすい高音域でもこのアンブシュアを上手く使えば、ピアノやピアニシモにまで音量を抑えられそうなのだ。実際、最近になって、たまにではあるが高音域ピアニシモができたこともある。本当にたまたまマグレではあったが、一瞬とはいえ自分で立証できたのだから、これは希望以外の何物でもない。あとは努力あるのみ。

先のツイートにあるように、写真のアメリカンファイフの本当のメーカーはモルノーなのかどうかは不明だが、「モルノーアンブシュア」と覚えておけば自分的に一発でイメージングできる。
このアンブシュアを使わない手はない。

というわけで現在、この「モルノーアンブシュア」の完全な習得を目指して、日々、プライベートでも仕事中のサボレンでも頑張っているところだ。

もっとも、モルノーアンブシュアを完全に習得するまでの間は、通常の演奏においては今までのアンブシュアを使うことにしている。練習なら音が出ないことがあっても当たり前だが、通常の演奏で音が出ないことがあったら話にならないからだ。


2018/11/03

今日は姫神の音楽の話を。

1994年からYAMAHA YPC62でピッコロの世界に入り、ほぼ同時に宗次郎の音楽を知り、YPC62で宗次郎の音楽を頻繁に吹いていた。
そしてこのページの最初にも書いたようにアンブシュアがだんだん固くなって、泣く泣くピッコロを挫折したのが1996年の半ばあたり。

それから1〜2ヵ月後、カーラジオでなんとなく聴いていたNHK-FMの音楽番組で流れてきたのが姫神のデビュー曲「奥の細道」だった。
「奥の細道」は1981年に星吉昭さんが「姫神せんせいしょん」という名のユニットを組んでリリースした曲で、私はたまたま1996年になってから15年ほど前の姫神のデビュー曲を偶然聴いたことになる。
ピッコロ挫折の直後だというのに「奥の細道」から衝撃的な感動を受けた。松尾芭蕉のイメージからは想像も付かなかった軽快なジャジーなリズムに見事にシンセサイザーのフレーズがマッチングしていて、その当時の音楽評論家によれば

とのことで、私は「姫神の音楽は初めて聴いたけど、そういう表現の方法もあるんだな」と、いたく感心したものだった。それが姫神の音楽との衝撃的な出会いだった。デビュー曲のリリースから15年も経ってそのデビュー曲の魅力に憑り付かれて姫神の世界を初めて知ったのは非常に幸運だったと思う。

それから私は、挫折による放心状態にも関わらず、姫神のベストアルバムをすぐに購入して、連日聴きまくり、ピッコロが吹けなくなった切なさという心の大きな穴に姫神の斬新で静かな気持ちになれる音楽が染み渡り、それが更に姫神の音楽を好きになるきっかけになった。一番悲しかった時期に斬新な自然派音楽に出会ったのだから、殊更心に染み入って強く印象に残ったのだと思う。

そのベストアルバムがこれ「姫神SUPER BEST」である。

しかし皮肉なことに、このベストアルバム「姫神SUPER BEST」のジャケットに書かれていた評論文の中に

という一節が書かれていて、笛という言葉に非常にナーバスになっていた当時の心には悲しい一節にしか聞こえなかったものだった。
特に姫神の音楽に使われている笛の音は小さな横笛の音が非常に多いので、悲しみも殊更だった。
だから姫神の音楽に陶酔する一方で
「できることなら、姫神の音楽をピッコロで吹きたかった・・・」
という気持ちも同時に湧いてきて、ピッコロへの喪失感も襲ってくるという、つらい毎日だった。

その2年後にティンホイッスルに出会って姫神や宗次郎の音楽を吹きまくるようになり、ある程度は心の傷は癒えたように思うが、やはり心の底では「ピッコロで吹けたらどんなに幸せだろうか」という切ない思いが無意識下にあった。それを最近になってやっと思い出してきたところだ。

逆に言えば、ピッコロ挫折があまりにも辛すぎる思い出だったゆえに、自分の精神への防衛本能が働いて、その思い出を心の奥底に無理やり封印して今まで忘れてしまっていたのだ。
それほどまでに、ピッコロを吹けなくなったことのショックは計り知れないほど大きく、それだけでひどい鬱になって1年以上寝たきりに近い廃人状態になっていたのだから、どれだけピッコロを心底愛していたかが自分でも痛いほどわかる。

だからこそ、2018年3月のピッコロ再開後は、悲しかった当時を取り戻すために冷静に慎重に頭をよーく使って練習方法を研究して、基礎練習だけを7ヶ月間も続けてきた。一日中考えを巡らせ、それこそ仕事中の時間も惜しんで研究と基礎練習に明け暮れた7ヶ月間だった。

本当のことを言うと、すぐにでも姫神や宗次郎の曲を吹きたかったのだが、まずは基礎の土台をしっかり固めておきたかったのだ。そうしないと自分自身が不安になるからだ。
だから、ピッコロ再開から7ヶ月間は曲の練習は敢えて一切せずに基礎練習だけを毎日コツコツ辛抱強く続けてきた。
主に、世界的フルーティストの上野星矢さんからヒントを得た「超ロングトーン」でアンブシュアを安定させ、それでもそのアンブシュアが気に入らなかったら新しいアンブシュアを模索する、そんなトライ&エラーを毎日延々と繰り返してきた。
別に曲の練習をしても誰にも咎められないのだが、基礎が中途半端な状態で曲を吹くことは絶対にしたくなかったのだ。
私の場合、笛の練習については自分に厳しすぎるくらいがちょうどいいし、自分自身もそれで納得して満足もしている。

そして結果的に7ヶ月間が過ぎた時点で、ようやく自分なりの理想的なアンブシュアを見つけ出し、「あとはこのアンブシュアをもっと煮詰めていけば良いだけの話だ。もう安心だ」という状態になって、本当にやっとこれで曲の練習ができるという状態にまでこぎ着けた。

だから姫神や宗次郎の曲をピッコロで吹き始めたのは本当につい1ヶ月ほど前だ。よって、音は出るようになっても指のほうがまだまだ追いつかない。
しかしそんな指のことなどは全然大した問題ではない。指なんて後からいくらでも自然に回るようになってくることを、20年間のティンホイッスルの経験から知っているからだ。

もはや、私の楽器的未来には希望しかない。

人間関係は相変わらず嫌なヤツがたくさんいるが、それがなんだというのだ? 嫌なヤツはどこにでもいるし、そんなくだらんものに振り回されている暇があったらピッコロの研究と練習に励んだほうがよっぽど建設的で健康的である。

自分なりの理想的なアンブシュアを発見してから以後、自信が付いたのだろう、人間関係での悩みはそういう風に吹っ切れることができた。
それこそ、ピッコロ挫折による廃人状態で心がカラッカラに乾いて完全に無感情になっていた1996年から1998年の、あの3年間の気持ちに戻っている。それが今の気持ちである。
良くも悪くも今は人間に対して、とことんドライになっており、悪口を言われても氷のように非常に冷たくあしらい無視しまくる術も覚えた。
つい感情的になってしまいそうな時には、

と自分に言い聞かせている。

話が人間関係に反れてしまったが、今の乾いた気持ちは、ちょうど「奥の細道」に出会った頃の気持ちにそっくりなのだ。だから姫神の音楽は私の人生の羅針盤と言っても過言ではないだろう。

私は案外、とんでもない「したたか者」なのかもしれない。
だがそれで良いのだ。はるか昔から人間関係の悪化とひどいイジメが原因で何度か自殺の寸前にまで追い詰められた人間が、楽器や音楽のおかげで生きる気力と活力が強烈に湧いてきたのだから、心が乾いていようがなんだろうが、それで良いのだ。
乾きすぎた心ゆえに堂々とふてぶてしく振舞いすぎて町の嫌われ者になろうとも、今までズタズタになった自分の心を守るためにはそうするしかないし、寿命まで生き抜くためにもそれしかない。
守護霊さんと自然の恵みへの感謝の気持ちだけは忘れずにだ。守護霊さんもこの「やむをえずふてぶてしく生きる」ことを許してくれると信じている。

人生は、つらければつらいほど生きたもん勝ちなのだから。
フッへへへ。。。

YPC62時代にピッコロを挫折してから22年間の暗黒の期間を経て、今まさに状況が180度転換し、ピッコロで姫神の音楽を吹けるようになり、感涙を禁じ得ない。

だから今こそ、最高に幸せな思いを込めて言える。

 


はじめに

とっても長い紆余曲折の話

理想のピッコロに出会うまでの話

いろいろなミニ横笛についての考察:その1(今見ているページ)

いろいろなミニ横笛についての考察:その2

アンブシュアの試練の時

失われたアンブシュアを探して ――時は過ぎゆく――

アンブシュアの迷宮から、やっと脱出

アンブシュアが完治するも、今度は構え方に大きな問題が・・・

愛犬への多大な感謝の想い


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