◇ウォルトンのティンホイッスルは買わないほうがいい?◇


ティンホイッスルのメーカー、ウォルトンですが、このメーカーのティンホイッスルは買わないほうがいいかもしれません。

2001年に私が買ったウォルトンのティンホイッスル(スタンダード、ギネス、メロウ)は、そのままでは演奏性に問題があって、演奏性アップの改良作業をしなければとても使えるシロモノではありませんでした。
改良作業をしてやっとマトモに吹ける状態にまでなったほどです。

その時に私が買ったものが演奏性に問題があったロットだったのもあるでしょうが、演奏性に問題が無くても、プラスチックのマウスピースにバリやヒビが目立ち、バリによってくわえる時に唇が痛くなったり、まぁそれはヤスリかサンドペーパーで削ればいいんでしょうけど、肝心かなめのウインドウェイやエッジにもバリやヒビがあるものも非常に多く、そのために息の流れが乱されて音が上手く出なかったり、2オクターブ目の音が「ガラガラガラ!!」としか鳴らず、全く使えないこともありました。

それから14年後の2015年にメロウを買ったのですが、その時は上記の問題はすっかり解消されており、演奏性に何の問題もなく吹けるいいホイッスルになっていて、ウォルトンを見直していました。

しかし、最近(2023年)になって知人から聞いた話によると、また当初のひどい状態に戻ってしまったようです。

なぜこんなことが起きるのか、その理由は、とあるベテランの輸入楽器販売業者さんに聞いたところ、ウォルトンがティンホイッスルを作る際に、本来ならば他のメーカーのように、マウスピースの金型を定期的に作り直さなくてはいけないところを、金型がどんどん劣化していっても構わずに古い金型で作り続けていってしまっているかららしいです。
劣化した金型で作っては、当然各部の寸法の狂いによる演奏性(特に音の出やすさ)が極端に劣ってくるわけで。

私の例を出すと、

私が2001年に買ったウォルトンは当時すでに長年使っていた古い金型でできた、演奏性に問題のあるものだった。

2015年に買った時はたまたま金型を新しく作り直した状態だったと思われ、とってもいい品質のメーカーになったなーと見直す。

8年後の2023年のウォルトンは既にまた金型が劣化していて、2001年のひどい状態に落ちぶれていたことが判明。

こんな流れです。

他のメーカーが商品の品質を落とさないように金型をちょくちょく作り直しているのに対し、ウォルトンだけは金型が劣化しても使い続ける、それによって演奏性に問題のある品質の悪いティンホイッスルばかりが出回ってしまう。こんなことを繰り返しているようで。。。ちょっと呆れちゃいますね。

ですので、どうしてもウォルトンのティンホイッスルが欲しいという人は、知り合いに新しい金型で作られた状態のいいウォルトンを持っている人がいらしたら、試奏させてもらうのが一番かもしれません。それなら速攻でウォルトンを買えばいいかと。
そういう人がいらっしゃらない場合は、残念ですが他のメーカーのティンホイッスルを買ったほうが無難でしょう。

加えて、ネットで調べたところ、劣化した金型で作られたウォルトンのマウスピースは、ヒビにより管体に差し込まれている部分(つまりマウスピースに圧力がかかっている部分)が割れてしまったケースも多く見受けられました。

金型が劣化してきてもなかなか新しい金型を作らないウォルトンは、もしかしたらあまり儲かっていないのかもしれませんね。だから金型を作り直すお金がないんじゃないでしょうか。

 

結論:
自分で演奏性アップの改良作業をする自信のない人、あるいは新しい金型で作られたものを試奏させてもらえず、「買ってみなければ性能や品質はわからない」という人は、ウォルトンのティンホイッスルは買わないほうがいいでしょう。
hataoさんやゴッツーさんなどのようにプロ並みに腕の立つ人なら話は全く別ですが、初心者さんにはウォルトンのティンホイッスルは個人的にはオススメできないなぁと思います。

 

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余談ですが、私はウォルトンのティンホイッスルの、あの「ヴォアァ〜〜〜」という籠もったような音色が大好きです。なので品質の劣悪なロットでも演奏性アップの改良作業を施して何としてでも性能を上げたい一心で改良作業をしました。ウォルトンのティンホイッスルは個人的に大のお気に入りなんです。
ですがお気に入りだからと言ってベタ誉めするのは愚の骨頂ですし、悪い所もどんどんネットに公開したほうが皆さんの参考になると思ってここに書いた次第です。


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