小ささと軽さ
ティンホイッスル(tinwhistle)は、「ペニーホイッスル(pennywhistle)」「フラジオレット(flageolet)」「フィップルフルート(fippleflute)」などとも呼ばれています。
ソプラノD管の全長は30センチくらいで、管楽器としては、とても小さいです。
小さいだけあって、とても軽いです。ソプラノリコーダーよりもずっと軽いんですよね。
音を楽に出せる
ウインドウェイとエッジが内蔵されていて音を簡単に出せる笛なので、アンブシュアで苦労する心配は全く無いです。私はアンブシュアがヘタなので、とても助かります。
個性豊かな音色
音色は機種によっていろいろですけど、リコーダーとオカリナの音色を混ぜ合わせて、カスレ気味にして安っぽさを出した、というカンジです。もちろん、他の管楽器には無い、独特で個性豊かな音色です。
値段の手ごろさ
値段の安い順に挙げてみました。ティンホイッスルは、楽器としてはとにかく安いです。楽器としてじゃなくても充分安いですけど。
Feadog
Brass Soprano D
600円(600JPyen)
Walton's
Mellow Soprano D
600円(600JPyen)
Walton's
Standard Soprano D
900円(900JPyen)
Generation
Brass Soprano D
900円(900JPyen)
Clarke
Sweetone Soprano D
各1,000円(1,000JPyen)
Walton's
Guinness Soprano D
1,200円(1,200JPyen)
Generation
Nickel Soprano D
1,300円(1,300JPyen)
Clarke
Original Soprano D
1,600円(1,600JPyen)
Oak
Acorn Soprano D
1,600円(1,600JPyen)
Oak
Soprano D
1,800円(1,800JPyen)
Dixon
Soprano D
2,400円(2,400JPyen)
Susato
Soprano D tunable
2,800円(2,800JPyen)
Dixon
Soprano D tunable
3,200円(3,200JPyen)
Shaw
Soprano D
3,650円(3,650JPyen)
5,000円以内でしたら、ここまで買えます。いちばん安い(600円の)機種でもプロの演奏家が使ってるほどですから、楽器の基準って値段じゃないんだよなぁと、つくづく思います。
私の勝手な主観で適当に5,000円を境目にしましたけど、高い機種でもこの程度の値段です。
Adler
Classic Soprano D
7,000円(7,000JPyen)
Chieftain
Soprano D
13,000円(13,000JPyen)
Overton
Soprano D
18,000円(18,000JPyen)
これが例えばクラシック楽器のフルートだったら1,000,000円くらい、オーボエだったら2,000,000円くらいのものと対等なんじゃないかしら。いかにティンホイッスルが安いかが解りますね。
ちなみにこれらのティンホイッスルの値段は、私が買った当時の値段ですので、現在では多少変わっている可能性があります。あらかじめご了承ください。
吹いて気付く奥の深さ
ティンホイッスルは、音そのものは息を吹き込めば簡単に出るし、唇の形を一から作らなくていい(アンブシュアでは苦労しない)ので、一見演奏が簡単そうに見えて、誰にでもすぐに吹きこなせるような印象を受けやすいみたいです。でも、奥の深さはフルートやピッコロに少しも負けていません。
キーメカニズムが皆無なので、音は簡単にピィーーーと出せても、ピッチのことは何一つ手助けしてくれない。つまり、ティンホイッスルの言い分は
「最初の音だけは楽に出させてあげるけど、それから先のことは全部自分で責任持ちなさい」
ということでしょうね。息の僅かな変化がそのままダイレクトにピッチに出る、息のコントロールのシビアさを考えると、フルートやピッコロと同じくらい奥が深いと思います。
よく、「おもちゃみたいで簡単そうだから」という、ある意味ナメた理由でティンホイッスルを選ぶ人がいらっしゃるようですけど、そーゆう理由で選ぶのも大いにアリです。楽器って、とっかかりは楽なほうがいいと思うんですよ。もっともらしい理屈をこねてあれこれ奇麗事を並べたところで、結局は、敷居は低いほうがいいと思います。
最初は思いっきり楽をして、苦労は後ですればいい。ティンホイッスルは、それを教えてくれているかのようです。
とっかかりが簡単でおもちゃみたいなのに、とても奥が深いんですよね。
持ち運びやすさ
ズボンやオーバーオールのポケットに直に入れても平気なくらい手軽です。
ミニショルダーバッグなどに無造作に放り込んで、どこへでも気軽に出かけられます。
持ち運びが楽なのは、とても助かります。
耐久性
バッグに無造作に何本も放り込めるので、演奏現場で使い分けるのもいいですね。
専用のケースはあまり出回っていないんですけど、ガードする必要がないくらい丈夫だからでしょう。
ただ、ウォルトンのギネスやリトルブラックなどは管体が薄いアルミで弱いので、そういう機種だけはケースに入れたほうがいいかもしれませんね。
気候変化にも強いので、気候条件の激しい山などで演奏するのも楽しいでしょうね。
維持費がかからない
消耗部品があるのは、スザートのようなごく一部の機種だけです。
Susato
Soprano D tunable
殆どの機種は消耗部品が無いので、維持費は全くかかりません。
部品点数が極端に少ない
ティンホイッスルはメカニズムが皆無で、部品点数も極端に少ない笛ですから、故障の心配もありません。
更に、楽器としての寿命もすごく長いのです。こんな楽器は珍しいでしょうね。
塗装の手軽さ
マウスピースがプラスティックでできているタイプは、自分で好きな色に塗装してみるのも面白いかも。
私のジェネレーションはニッケルなので、マウスピースの色は青でした。
それをプラモデル感覚で薄く削ってから黒に塗装したのでした。
使った塗料は、自動車用の油性タッチペンです。
塗装の点で楽しめるのも魅力です。