プロローグ (作曲:南里 高世)
アルバムの最初の曲で、ほんの1分くらいの小曲です。霧の深い山のイメージが浮かんできます。
アルバム全体をかたどってる世界の、イントロダクションですね。
出だしはオカリナソロで、同じメロディが2回繰り返されるんですけど、2回目はバックにストリングスのような音がかすかに入ります。
まるで、アルバムの世界が霧の中から現れてくる前兆みたいで、かっこいいです。
サマルカンド (作曲:南里 高世)
サマルカンドというのは、古代都市の名前だったと思います。古代の文化や文明を現代に伝えているような印象です。
文化や文明はいつの時代も、その都市独特のもので、サマルカンドは威厳すら感じさせます。これが収録されているアルバム「Harmony」は世界に目を向けたアルバムでして、当時は海外でもかなり人気があったとか。意外だわぁ。
どんなに現代文明が発達しても、古代都市が作り上げてきた歴史は残っているもので。
「現代の人間よ、おのれの文明に奢ることなかれ」。そう古代都市の遺産が語り掛けてくるような曲です。
Love - めぐり逢い (作曲:南里 高世)
恋人同士が巡り合うまでのことを表現した曲のようで…などと勝手な憶測をしてみたり。
とても輝かしくて温かいメロディで、ほのぼのするんですよね。巡り合って恋の花が咲いたってカンジ。
この曲、志村けんの番組で、B.G.M.で流れてた曲なんですよ。ちなみに、志村けんと宗次郎は、意外と仲がいいらしいです。
志村けんはお笑いタレントですけど、趣味は宗次郎が演奏する音楽を聴くことで、番組の内容も心暖まるシーンで、そのB.G.M.だったんです。う〜ん、ピッタリの選曲。
ヒマラヤン・シーダー (作曲:南里 高世)
ヒマラヤン・シーダーとはヒマラヤ杉のことで、極寒のヒマラヤ頂上付近に生息する杉の木…だったかしら? それを表現したようですね。
そんな寒いところに生きている木なんて、すごいなぁと思います。自然の偉大さを思い知ります。
ヒマラヤン・シーダーは、下界を見下ろして、人間の生活を見守っている。
そこに優しさが感じられるんですけど、同時に孤高の存在という、近寄りがたい雰囲気がありますね。まぁ、場所が場所だけに。
チチカカ湖 (作曲:南里 高世・大沢 教和)
チチカカ湖とゆーのはペルーにある湖で、とても幻想的な雰囲気を漂わせるそうです。
実際に行ったことはないので解らないですけど、その幻想的な雰囲気を表現した曲でしょうね。
また、ケーンの原産地として有名で、ケーナとか、オーボエやクラリネットやサクソフォンなどのリードも、大半はここから送られてくるようです。でも近年では、ケーンの材料である葦の木が減ってきてるらしいです。
いつまでも自然の姿を残しておいてほしい、という願いが感じられる曲でもあります。日本の奏者もかなり良質なリードの入手で困ってるらしいですし、さて、どうしたものでしょう?
アップル・トゥリー (作曲:柴田 敬一)
リンゴの木を表現した曲ですけど、リズムらしいリズムは殆どなく、ゆーっくり、じわじわじわーっと吹いてる曲です。
よく楽譜で書かれてる「Free Tempo」に近いです。明るいメロディラインが印象的。
たぶん、リンゴが成熟するまでのゆっくりした時間を表現したんじゃないかな、と。
中盤ブレイクが入るんですけど、そこで成熟しきる直前の瞬間を表現したようにも思えます。実に和む曲です。
ブータンの夢 (作曲:南里 高世)
ブータンはザイールの首都ですけど、経済的に苦しく、住んでる人達の生活も苦しいようです。
そういえば宗次郎がオカリナを作り始めた時は、たった2畳の部屋で、しかもランプ生活という、実に貧しい生活だったとか。それとオーバーラップする部分があるなぁ。
全体的に物悲しいメロディラインなんですけど、その中には、貧しくても夢を捨てないで生きてくれ、という、ブータンの民へのメッセージが込められてる気がします。
虹のかけ橋 (作曲:柴田 敬一)
私は、虹をあまり見たことがなくて、特に山にかかる虹なんてまだ一度も見たことがないんです。綺麗なんだろうなぁ。
アルバムの最後の曲なんですけど、世界を題材にしたアルバムを締めくくる意味で、虹をかけ橋にして、世界を平和なものにしたい、という意図が感じ取れる曲です。
ほんとに世界が平和になってほしいものです。争い事はもうたくさん。