◇宗次郎の音楽との出会い◇


私はティンホイッスルをただ適当に吹いてるだけでも楽しかったんですけど、できるなら自分が好きな、悲しいメロディラインの音楽を吹きたいものだと思っていました。なぜなのかは解らないんですけど、物心ついた時から、悲しいメロディラインが好きだったんですよ。悲しければ悲しいほどいい、というメロディラインの趣味です。

ティンホイッスルといえば、皆さんが真っ先に思い浮かべるのがアイリッシュでしょうけど、私はアイリッシュには全く興味が湧かなくて、聴いても全く吹く気にはなれなくて、おかげで演奏も全くできません。えっへん!(←殴って)

さて、ティンホイッスルで何か悲しいメロディラインの音楽を吹けないかなー、と思いながら日々を送っていたんですけど、ある日、ボーっと旅行情報関係の雑誌を読んでいたら、それに宗次郎のアルバムの紹介が載せられていて、「え、オカリナの奏者なんて居たの? オカリナ音楽って知らないけど、なんだか素朴そうで面白そうだなぁ」と思って、「じゃぁアルバムを聴いてみようかしら」という気になりました。この時点ではまだ、物珍しさからくる興味本位な気持ちに過ぎなかったですね。

どのアルバムを買ったらいいのか解らなかったので、とりあえずベストアルバムを買ってみました。それで聴いてみたら、かなりのカルチャーショックを受けましたよ、ええそれはもう。すっごく悲しいメロディライン、シンプルな構成、そして篠笛のような哀愁溢れる音使い、それが宗次郎の音楽でした。私は思いっきりツボにハマり、もう一発で宗次郎の音楽を気に入りました。

その後いろいろ調べてみると、日本では、ずいぶん前に宗次郎の「大黄河」がヒットしたらしく、宗次郎によるオカリナブームも起きたとのこと。でも私はそんなこと全然知らなかったし、今でもオカリナブームなんて関係な〜い、と思っています。とにかく、この音楽に出会えただけで、もう幸せいっぱいでしたからね。

その後は当然、宗次郎のCDを探しまくり、買いまくり、一曲一曲を耳コピーしてはティンホイッスルで吹く、という日々が続き、今に至っています。それで、「宗次郎の音楽をティンホイッスルで吹く」という、私の今の演奏スタイルが出来上がったのでした。

宗次郎の音楽は、私にとってすごーく嬉しい音楽です。宗次郎の音楽に出会えなかったら、私の今の充実したティンホイッスル人生は無かったでしょう。

 

2022/12/11追記:現在ではミニ横笛(ピッコロやファイフ)で宗次郎を吹いてますが、楽器は変わっても宗次郎は私の笛人生の永遠の原点です。


新聞の裏面に載ってたDVD付きオカリナ入門セット。曲群はたぶん宗次郎による演奏。

 

−−−−−−

えっと、ここからは、かなーり個人的な見解が入っていますので、興味のない人は読み飛ばしちゃってください。

最近、ネット友人のFさんから「みんなの歌」の中のとある曲について教えていただいた時、彼女は「悲しくて切ないメロディラインなんだけど、あったかい安心した気持ちになる曲だ。まるで本当の故郷である霊界を意識させてくれるようだ」と言っていました。

私はそれを聞いて、「そっか! 私が幼少時代から悲しい切ないメロディラインに惹かれていたのは、無意識に霊界への望郷感を感じていたからかもしれない。だから宗次郎のような音楽にハマりまくっているのかも」と思いました。それを言ったら宗次郎のファンはみんな霊界を意識していることになっちゃいますけど、そんなワケはなく(笑)、私が個人的に「霊界への望郷感も加えて、大好きなティンホイッスルで吹ける大好きなメロディラインの音楽だから、そして宗次郎の音楽は殆ど全部と言っていいくらい自然を題材にしているし、自然=霊界そのものだから、だからここまでハマっているのかもしれない。うん、きっとそうだ。今までなぜここまで宗次郎の音楽に惹かれてきたのか不思議だったけど、長年の謎が解けたような気がする」と思ったからです。

「悲しくて切ない、それでいてあったかい安心した気持ちにさせてくれる音楽」という意味で、私に新しい気付きを与えてくれたFさんには、ただただ感謝するばかりです。

というワケで、これからは宗次郎の音楽を吹く時は、心のどこかで霊界を意識しながら吹いてみようと思います。といっても宗次郎の音楽は宗教音楽ではなく、自然を題材にしている「自然派音楽」だと思っています。


Home