◇3番目の愛用はショウ 2015年モデル 改造版◇


レビューは、あくまで個人的な感想に過ぎません。初めに必ずこちらをご覧ください。

ショウは、以前の2001年モデルの時よりも、最下部に書いてる2015年モデルがすっごく気に入って、現在、ディクソンSV2016年モデル、ディクソン1ピース2015年モデルに次いで3番目の愛用になっています。まずは以前持っていた2001年モデルの紹介から。

いろんなアングルの写真

大きい写真はこちら (横幅550ピクセルの写真です)

ショウは、管体の材質はニッケルシルバーという合金で、中でも銅を多く含んでるため、鈍い金色の輝きをもっています。


Shaw Soprano D model-2011

管体の上部に掘られたShawの刻印は、渋くて割と好きです。

管体の裏側のアップです。荒っぽい接合部ですねぇ。

見た目を気にしない人には、逆に味があるティンホイッスルかも。

写真からでも、表面がボコボコになってるのが解るでしょう。これでも新品なんですよー。

木のブロックを止めるために、カシメがしてあります。ブロックが落ちる心配は無し。

管体のニッケルシルバーの接合部はかなり荒っぽく、ウインドウェイを形成している木の取り付けも荒っぽいです。

ウインドウェイの木のブロックは、かなり大雑把な作りです。寸法の狂いが一目瞭然。

ウインドウェイとエッジの間ですけど、向かって右側が歪んでます。いやはや、ここまで徹底的に作りが雑だと、逆に清々しささえ感じます(笑)。

見た目だけの出来栄えはめちゃくちゃですね。まぁ、その出来の悪いところが可愛さだったりするんですけど。私はこの、ウケ狙いでわざとやったんじゃないの? と思うくらい雑な作りのショウが、かなり好きです。

木のブロックの左右にある、僅かな段差が曲者なんですよ。これだと水分が管体へとうまく流れてくれないんです。

エッジはべろんべろんに曲がってて、精密さとは縁遠いですね。よく音が出るもんだわぁ。


特徴

管体の材質はてっきりブリキかと思っていたんですけど、調べていくうちにどうやらブリキではなく、ニッケルシルバーだったようです。銅とかニッケルとか亜鉛とかを混ぜた合金で、ジッポライターの材質にも使われてますね。金色のメッキにしては色が変だなぁと思っていたんですけど、銅を多く含んでるニッケルシルバーだから、ということで。

ショウの音色は、滑らかに流れているという温かい音色で、独特の味わいです。音色だけでいえば、「優しく囁いている」ような印象です。高音部では、ピーという音よりはシューという、息の漏れるような音色のほうが一層際立ってきます。ニッケルシルバーは比較的固い金属なんですけど、ショウの管体に使われてるものは極めて薄く、強度はそれほどありません。その薄さの影響は音色にも現れてて、芯のあるような音ではないですね。

音量も小さ目で、よく出回っているブラスのティンホイッスルよりも静かだと感じる時もある程です。高音部になっても音が耳につきませんし。

ニッケルシルバーの板を巻いたものに木のブロックを差し込んだだけの作りなので、チューニングはできません。ショウは今のところチューナブルのタイプを作る予定はなさそうですし、テーパード・ボアですから、チューナブルにするのは構造上難しいのかもしれないですね。

ショウは、ウインドウェイやエッジの作りが粗雑で、無駄な息を大量に使っちゃうので、その分ブレスの頻度もかなり増えます。肺活量の無い人でも、頻繁にブレスをすれば大丈夫でしょうけど、ロングトーンをしようとしたら、相当息がキツいです。下のほうにある「演奏性アップの改良作業」で息を楽にする方法を紹介してるので、宜しければそちらもどうぞ。

トーンホールは割と小さ目で、トーンホールごとの距離も近いので、指の細い人・手の小さい人でも大丈夫です。これは管体がテーパード・ボアなこともいくらか関係しているんですけど、トーンホールを押さえる時の楽さは、ショウの利点ですね。

木のブロックはカシメでしっかり止められているので、ブロックがポロリと落ちる、ということは無いようです。でも長期間吹いてると、木のブロックが水分を吸収してきてウインドウェイがダメになっちゃうので、腐食防止のために、ブロックが見えてる部分全体に塗料を塗っておくといいでしょう。塗料はDIYセンターなどで売ってるもので充分だと思います。でも、木のブロックを塗装するのは、あくまでその場の気休め程度です。「木のブロックを塗装して腐食を防ぐ」というのは昔から知られている方法ですけど、これは単なる一時しのぎにしかなりません。木は温かい音色を生みますけど、水分に弱いことが残念といえば残念。

気候条件による影響について。とても寒い気候条件でショウを吹く時には、ウインドウェイの両脇の段差を水分が超えることができず、管体へと逃げていってくれないんですよね。


この段差が泣き所

そうなると困ったことに、溜まった水分が息の通過を邪魔して、低音部が出にくくなっちゃうんです。ローエンドなんかまるっきり出ない。もっともそんな過酷な気候条件は、そうそう無いんですけどね。日本でこの現象に困るのは、極寒の地域の人だけかも。気温によるピッチへの影響は、ほとんど心配ないといっていいでしょう。水分がウインドウェイに溜まることも含めて、特定の過酷な気候条件にしか左右されない、ということで、これはとてもいいと思います。

ショウの工場出荷状態では、ピッチはほぼA=440Hzに合っています。最先端のティンホイッスルのピッチが上がり続けている(いた?)のに対して、ショウはピッチまで昔のまんまというカンジ。ただ、元々の作りがいいかげんなので、トーンホールごとのピッチの狂いについては、一本一本のバラつきがありそうです。それにしても、最近の演奏現場の基準ピッチはどんどん上がってきてて、ティンホイッスルもそれに合わせざるを得ない時が多いし、明るい音色に聞こえるようにA=445Hzくらいの演奏現場もあるのですけど、これは迷惑な話で、大きなお世話ですよほんと。

ショウのメリットは、ニッケルシルバーが生み出すその温かい音色にあると思います。ブリキほどには神経質な音色ではなく、高音部になっても温かさを保ったままの音色で、吹くほうも聴くほうもリラックスしていられることですね。また、手の小さい・指の細い人にとってトーンホールがとても押さえやすいので、助かる人も多いでしょう。

デメリット。無駄な息をかなり消費するので、頻繁なブレスに慣れていない人にとっては息使いがキツいこと。ただしこれは、ウインドウェイを絞ることで解決すると思われます。詳しくは下のほうに載せてる「演奏性アップの改良作業」をご覧ください。

買う時の注意点について。見た目の出来栄えを気にする人にはお奨めできません。たとえ新品でも、管体やブロックの成型がかなり雑です。見た目の出来栄えに期待して買ったら、相当大きいショックを受けますよー。


こんなのとか


こんなのとかでも新品なのです

私がショウの新品を買って、その外見の仕上がりを見た時の第一声は、

「うそーーーーーーん!!!」

でした。まぁ、音がちゃんと出ればいいかと割り切って使ってるうちに、外見は気にならなくなって、温かい音色に愛着が湧いてきたもんです。少なくとも、「新品のショウが輝いてる〜」という幻想を抱いてると見事に裏切られるので、ショウの仕上がりには決して期待しないようにしましょう。後から削り直したり磨き上げたりすることが目的ならば、それはそれで面白いですね。

それから、雑な仕上がりの割には値段は高いですから、それも覚悟しておくようにしてください。「これだけのお金を出して、届いたモンがこんな笛!?」と腹を立てる人も居るかもしれませんので。買う時には特に、息のキツさについては特に気を付けてください。現代の主流になっているジェネレーションなどのティンホイッスルに比べると、ショウは息をかなり大量に消費するので。目安は、テナー管をそろそろ吹いてみようかなー、というところまで息使いの基礎が出来てる人ならば、ソプラノ管のショウを吹いても楽だと思います。買う時の判断基準として、参考にしてください。


値段と入手法

取り扱っている業者さんです。

ティン・ホイッスル、アイリッシュフルートの専門店 Dixon正規取扱店 Celtic Music
(ディクソン製品の正規取扱店というだけあって、ディクソンのラインナップはかなり豊富です)

 

Big Whistle Music


メーカーについて

ショウは、イギリスのメーカーです。イギリスらしからぬ大雑把な作りで、管体の継ぎ目の溶接や木のブロックのカットも、ウケ狙いでわざと適当にやったんじゃないかと思うくらいです。見た目を気にしない人にはそれでいいでしょうし、実際私は、かなりショウを気に入ってます。

しかし、どう客観的にみても出来栄えがあまりにも雑なために、日本国内はおろか海外の業者さんでさえも扱うのを嫌がっている状態です。

このままではただの「値打ちの無い希少価値のメーカー」になってしまうんじゃないかな、と、ちょっと心配。もうちょっと仕上げを丁寧にしてくれれば、メーカーの人気も回復するだろうになぁ。

ショウのサイトはこちらです。

http://www.daveshaw.co.uk/

ティンホイッスルだけではなく、アイリッシュ・パイプやシャトル・パイプも作っているようです。

それはともかく、下のほうに載せてる改良したショウのことを、代表者のデイブ・ショウさんが知ったら、はたしてどう思うかしら? わざとらしい自慢話と思われちゃったりして。


演奏性アップの改良作業

ショウは、笛の音色そのものは柔らかい独特の雰囲気でいいんですけど、やはり大量の息が必要です。ウインドウェイが広すぎるためなんですよね。

冬場に鏡を見ながら吹いていて気付いたんですけど、ウインドウェイの出口横側から水分が逃げていかず、低音部でさえも出にくいんです。冬場は水分が多く発生しますからね。

この原因は、ウインドウェイ横側の段差のせい、ということが解りました。

水分がこの段差を乗り越えることができず、管体へと流れていかないんですよ。

息に対する反応も悪く、かなり吹き込まないとまともな音が出ないという、困ったティンホイッスルです。この原因は、エッジの作りが雑なために、息の流れが綺麗に当たらないせいのようです。いやはや、悪いところだらけですね。これだけ出来の悪いティンホイッスルも珍しいわん。

では、改良いってみましょう。

このウインドウェイ出口を絞って、息のスピードを上げる作業です。

親指の爪でウインドウェイ出口を潰します。ショウは、材質であるニッケルシルバーの板が薄くて曲げやすいので、親指の爪で充分かと。

ちょっとピンボケですけど、ここまで絞りました。

その気になればもっと絞ってもいいでしょうね。何せかなり広い出口ですから(2006年3月9日追記:今では更にウインドウェイ出口を絞って、縦の寸法が2ミリくらいになっています)。

あまりにも潰しすぎたら、ヤスリの先端で起こして微調整します。

エッジの部分に当ててテコのチカラをかけないようにご注意。柔らかいエッジがグニャリと変形しちゃうので。起こす時は、微妙なチカラの加減が大事です。

次は、ウインドウェイの段差を削って無くすんですが、この作業だけは、人によっては無意味に感じると思います。なぜかというと、とても寒い冬場の屋外で吹く条件だけで有効だからです。極寒な条件下だけにおいて水分が管体へ逃げていかない、そういう現象を起こす笛ですから。

側面にギザギザが付いてるヤスリを用意します。

この作業は、ヤスリの側面のギザギザを使ってウインドウェイを削るので、そういうヤスリが必要なんですよ。

出口は段差を無くしても、入り口はあまり削らなくていいです。出口付近が斜めになる程度で充分でしょう。

反対側も同じ要領で削ります。

削る時、ショウの場合はあまり神経質にならなくて大丈夫です。何せ元の作りがいいかげんなので。

さて、次の作業です。この雑な形のエッジを何とかしないと。

板が薄くて柔らかいので、親指の爪でオッケーです。少しずつ押しながら逆アーチ状にしていきましょう。これは大事な作業ですよ。エッジをちゃんとへこませないと音が出にくいんです。

少しだけへこませたところですが、この後更にへこませて、かなりの逆アーチ状にしました。

毎度お馴染みで、潰しすぎたらヤスリの先端で起こします。ウインドウェイにテコのチカラをかけないようにご注意。

エッジは、ここまでへこませました。

最初の作業でウインドウェイ出口を絞りましたよね。それと同じカーブを描くようにエッジもへこませました。

これで改良作業は完了です。作業後吹いてみたら、びっくりー。今までよりもかなり少ない息量で高音部を楽に出せて、ロングトーンもすごく楽になりました。

極寒の屋外での水分テストもオッケーでした。やった〜。

 

二年くらい前にやむをえぬ事情で手放したけれど、見た目や仕上がりがメタクタにボロで、「おんぼろティンホイッスルの代名詞」と言ってもいいショウが、私は今でも大好きです。多目の息を消費するところといい、優しい音色といい、吹きやすさといい、また欲しいなーって思います。そこで一発ギャグを・・・

ちゃんちゃん!


ショウ 2015年モデルについて

ショウ2015年モデル、買いました〜! ソプラノD管です。とりあえず外観の写真を。


Shaw Soprano D model-2015

上記の2001年モデルと比べると、かなり仕上げが丁寧になっています。材質がニッケルシルバーなのは変わらないようです。

管体裏側の接合部も、かなり綺麗です。

マウスピース部分は昔と同じく、木のブロックをはめ込んだものですけど、下唇が当たる部分が丸く削られていて、スザートと同じくらいの形状になって、ずいぶんくわえやすくなりました。2001年モデルは本当にくわえにくかったからなぁ・・・ ブロックの寸法の狂いもほとんどなくなりました。

ウインドウェイ出口の絞りも、ちょっと強くなっていて、息が僅かにラクになっています。エッジとかは写真で見ると荒っぽい仕上げに見えますけど、職人魂を感じさせる丁寧な仕上がりです。いえ、あくまでも2001年モデルに比べたら丁寧という意味ですけど(笑)

木のブロックの歌口部分は、かなり斜めに削られていて、音を安定させて芯の通った音にする効果があるみたいです。

木のブロックをしっかりカシメで止めてあるのは昔どおり。

刻印シブくて好きー。

ね? 2001年モデルに比べたらだいぶ丁寧な接合部しょー。

 

テーパード・ボア(円錐形)の管体のため、トーンホールごとの距離は割と近くて押さえやすいです。

ベルの作りも昔のまんま。

 

いやー、ディクソンSVが「かわいい」、ディクソン1ピースが「かっこいい」のに対して、2015年モデルのショウはただただ「シッブイ! ビンテージ〜」の一言です。

実はこの笛、注文してから届くまでに、かなりの月日がかかったんですよ。3ヶ月くらいかかったかな? 私がサイトであまりにもショウのことをおんぼろおんぼろ言うもんだから、社長のデイブ・ショウさんが怒っちゃって、「ふーんだ、いいもん、どうせおんぼろだもん。デイブちゃん怒っちゃったもんねー。もう日本には売らないもん!」ってスネちゃってたから入荷が遅れたとか(笑)。いや冗談です。そもそもショウのメーカーの人がこんな辺境サイト見るわけ無いですから(笑)。

実際の話、昔のショウはあまりにも仕上げが雑すぎて、日本は元より海外の業者たちも取り扱いを渋っていた状態だったらしいです。なので、ここから先は個人的な憶測に過ぎませんけど、ショウのメーカーは「このままでは会社がつぶれる」とか思って、一本一本丁寧に仕上げることを目指したんじゃないかと。あるいはかなりウデのいい職人さんが入ったか、どうなんでしょうね?

管体の裏側にはサビ止め剤が塗られているみたいです。

木のブロックには何も表面処理はされていないようですので、吹いていると水分を吸ってきて腐ってダメになっちゃうと思うので、塗料を分厚く塗るとか木工用パテを薄く塗って保護するとか、今後の改造の課題にしたいです。

ハンドメイドだけあって、値段は7千円くらいしましたけど(高い)、でもずっと大事に使っていくのだから満足しています。

こんなに見違えるくらい丁寧な仕上げになっちゃって・・・ 思わず「おんぼろじゃなきゃショウじゃないやい!」と言いたくなります(暴言)。いやいや冗談冗談。とってもいい品質になって満足してますよー。


改造記録:木のブロックの整形と表面保護作業

今後ゆっくりと時間をかけて吹き倒していきたいと思いますけど、その前に、木のブロックを水分から守るために事前処置をしておかなきゃ、ってことで、まずは、表面保護作業をする前に、下唇が当たる部分を更に丸く削って、よりくわえやすくしました。グラインダーがあればラクだったんですけど、ないので丸ヤスリで根気強く削りました。結果、こんな風になりました。

くわえやすさは、下唇が当たる部分の丸さという意味で、スザートとディクソンの中間ってとこでしょうか。木の部分を削っただけなんですけど、ずいぶんくわえやすくなりましたね。少なくとも2001年モデルに比べたら桁違いです。

さて、これから木の表面保護作業をしないと・・・そのレポは追々アップしていきます。

この2015年モデルのショウは、作りがシブいビンテージ・モデルということで、ビンテージのビを取って「ビーちゃん」って呼んでますw ディクソン1ピース2015年モデルが「スーちゃん」で、ディクソンSV2016年モデルが「スイちゃん」で、ショウが「ビーちゃん」。どの子もかわいいでしょ?w


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