◇アルバムの感想 グローリー◇


SPRING CLOUDS (作曲:宗次郎・瀬川 博史)

ゆったりしたテンポとメロディの変化で、春の雲を表現しています。

バックにはチェロらしき音が入り、一層暖かみを感じます。いかにも春の雲っぽいです。

青々とした空を小さな雲が少しずつ流れている、歩みはゆっくりでも確実に変化している。人間もそれに似ているんじゃないかしら。

日常の忙しさから離れて、時間を忘れて、春の雲みたいにのんびり過ごしたい、と思わせる曲ですね。


PATH OF THE COUNTRY (作曲:宗次郎・瀬川 博史)

のどかな風景の片隅で、もやがかかった遠くの山を見つめて、静かな気持ちで心を休めている印象です。「ここに来ると落ち着くよ、安心するよ」。そんな感じです。

空は快晴ではなく、薄ぼんやりしているほうが似合うのではと。

「ここには心を静かにさせるために来たのだ」そういう風にも感じます。

そういう気持ちで訪れると、なんだか帰るべき所に帰ってきたようにも感じます。心の故郷みたいな場所でしょうか?


FRIENDS (作曲:宗次郎・柴田 敬一)

友と一緒に登山をして、頂上の休憩所で一息入れている、そして同じ趣味を持つ者同士、話に花を咲かせている印象です。「ほら、あの坂はキツかっただろ? でもお前強がって平気そうな顔してたよな。見栄っ張りじゃん、わはは」とかなんとか。

友同士の語らいが聞こえてくるようです。とても楽しい雰囲気が伝わってきます。

あるいは、峠によくある茶屋で食事をしながら、登山のことを楽しく話している感じもします。「このソバつなぎが多いよな。俺はソバ粉が多いブツ切れなほうが、おっと、さっきの話なんだっけ?」などという。

「さて、また歩こう。次の休憩で食べる、おやつの団子でも買っていこうか」などという情景が浮かんできます。


泉のほとりにて (作曲:宗次郎・柴田 敬一)

泉のほとりに立って、あるいは座って、一人ぼっちで何かを深く考えている。二人以上で来てはいけないんですよね。こういう時は一人っきりじゃないと落ち着かない。

今まで出会ってきた人々のこと、自分が歩んできた今までの人生、いいこともあれば悪いこともあった。そんなことを一つ一つ思い出しているような印象を受けました。

メロディラインは非常に悲しいものです。泉の周りを一人でゆっくりゆっくり歩いて、最後に立ち止まって何かに気付いて、その時改めて自分の孤独を痛感する、そんな雰囲気です。

特にエンディングのリタルダントは意味深で、孤独感を強調しているかのようです。孤独に押しつぶされそうになったら、その足で友達の家に遊びに行きましょう。時には逃げるのも大事です。


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