◇モダンピッコロ PlayTec PTPC300◇


※レビューは、あくまでも主観・個人的な感想であって、「吹きやすい」という表現は、あくまでも「自分の吹き方に合っている」という意味に過ぎません。別の人が吹いたらきっと吹きやすさの印象が全然違ってくるでしょうね。


ツイッターのぺいがんさんが買っているのを見て影響されて、私も買いました

新品で一万円でした。管体の黒い部分がグラナディラではなくABS樹脂で出来ていて、他の部品の材質はちゃんとしたメーカーのモダンピッコロの安い機種と大体同じだと思います。たぶん。

一万円のモダンピッコロでは当然アフターサービスも保証もなく、壊れたら使い捨てのような扱いになっていて、それは充分承知の上で買いました。
だってサボレン(仕事中にサボって練習すること)に使うんだし、職務内容柄いつ誰に盗まれるかわからない状況になることが多いので、サボレン用のモダンピッコロなら逆に、いつ盗まれても諦めがつくような、こういうのじゃなきゃダメだなと思ったので。

予想していたとおり最初は本当に音を出しにくくて難儀していましたが、自分の下唇の形に合わせるために頭部管の歌口の手前を丸ヤスリで削ることで、そしてエッジの表面を平ヤスリで平らに削ってアンブシュア・カットを施してエッジを薄く鋭くすることで、割とラクに2オクターブ目の最後まで鳴らせるようになって、自分でも驚いています。
アンブシュアの練習をがんばったおかげもあるんですが、それだけでは、まずここまで鳴るようにはならなかったでしょう。
(注:あくまでも私の下唇と吹き方に合わせた改造ですし、他の人が同じ改造を施してもよく鳴るようになるとは限りませんので、改造は自己責任でお願いします)


歌口手前を削り、息が当たる部分を平らに削ってアンブシュア・カットを作った

 

あと、頭部管を改造しても各オクターブのDの音だけが殆ど出なかったのですが、よく調べてみたらDの音を出すためのキーのタンポがトーンホールに密着してないことが原因だと気づきました。キーの部品自体が斜めに歪んでいたのでラジオペンチでキーを挟んでグーーーッとこじって調整したらDの音も普通に出るようになりました。


キーの歪みをラジオペンチでこじって直した状態

 

あと、右手小指のキー(Ebキー)の裏に付いている白っぽいシリコンみたいな樹脂製のバンプストッパー(とでもいうのか?)が、いかにも安物らしく買ったばかりの練習初日で取れちゃいました(笑)。
ぺいがんさんもやはり同じような体験をされたみたいで、私だけじゃなかったんですね。ぺいがんさんが薄い両面テープでくっ付けていたので私もそうしています。今のところは取れていません。
キーのメッキを剥がしてから両面テープで貼ればもっと接着力があるんでしょうけど、めんどくさいのでメッキを剥がさずに貼っています。また取れちゃったら今度はちゃんとメッキを剥がしてからくっ付けようと思います。

このバンプストッパーは、最下位の機種でも9万くらいはするちゃんとしたメーカーのモダンピッコロなら大抵コルクで出来ていて強力に接着されているんですけど、やっぱりPlayTecは1万円だけあって材質も取り付け方法も相当コストダウンを計っているようですね。

やっぱり安かろう悪かろうだなーと思いつつも、だからこそ調整と改造をしまくって性能と吹きやすさアップをすることが楽しいピッコロだと思います。

タンポはシリコンなどの樹脂ではなく普通に消耗品のものを使っているっぽいので、タンポが寿命で破れたらどうにかして修理するか、それとも一万円の元を取ったと思ってまた同じくらいの機種の買いなおしを繰り返すか、それはその時になってから考えます。

こうして劇的な変化を遂げて実践でも充分に使えるようになって一人前(?)のピッコロにのし上がったPlayTecは、今ではサボレンで大活躍しています。

ただ社用車の走行中の振動によってどうしても僅かずつ調整が狂ってきて、数日後に突然特定の音が出なくなることも多くて、その度に家に帰ってから微調整し直して翌日の仕事に持って行って、また社用車の振動で数日かけてだんだん調整が狂ってきては微調整し直しての繰り返しです。
こうなることは始めから充分わかっていたんですけど、調整のし直しが逆に面白いので、あえてサボレン専用として使い続けています。こき使われてかわいそうなPlayTec(笑)


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