◇論文調の自叙伝「ピッコロへの想い」◇


メモ帳代わり。ツイッターの自分のツイートや自分で自分宛に出したメール文章をコピペして、更にPCで編集&加筆した自叙伝(と言えるほど大仰なものではないけど)。
下に行くほど新しいログ。


まだ楽器を始めていなかった1988年のある日、NHK-FMで流れていたフルートの曲のメロディに惚れて、曲名は今でも不明だがフルートの音色がとても好きになった。
しかし私にはフルートなんて難しくて吹けないという妙な諦めの気持ちがあり、1989年10月に楽器を始めた時はエレキギターだった。

そしてギターを挫折した1993年冬、やはりフルートを吹けるようになりたいと思い、昭島市のYAMAHAショップに行き、生のフルート(モダンフルート)を見て、どの機種を買おうかと迷っていたら、フルートよりもかなり小さいピッコロという横笛があることを知り、とても可愛らしい笛で私の興味はピッコロに釘付けになった。
その日は取りあえずYAMAHAのフルート&ピッコロのカタログ(両方一緒に載っているカタログしかなかった)をもらって帰宅した。

そして1994年春、生まれて初めての管楽器を購入した。モダンピッコロ・YAMAHA YPC62である。YAMAHAピッコロの中では下から2番目に安い機種だが全管グラナディラという木でできてるやつだ。
(メモ:グラナディラという木はアフリカン・ブラックウッドのことらしい。また、エボニーは黒檀(こくたん)のことらしい)
今度は昭島市ではなく小金井市の宮地楽器まで出向いて注文し、店頭で新品を購入。当時は新品でも135,000円で今よりもだいぶ安かった。

最初は最下機種のプラスチック管のYPC32にしようかと思ったがYPC32はデザイン面で気に入らず、よりストレート管に近いYPC62を選んだのだった。
できればつい最近(2018年春)知ったジュピターゲマインハートのような膨らみの無いジョイントのピッコロが良かったのだが当時は知らなかった。

そして1996年にだんだんアンブシュアが崩れていき、焦って力み返ってムキになって息を吹き込んでいるうちに更にアンブシュアが固くなってしまい、ついには音自体が全く出なくなって撃沈。
ピッコロを諦めて、購入した宮地楽器に売却した。

無知ゆえの失敗だったとはいえ、この時の心の傷は本当に計り知れなく、一生忘れられない悲しい思い出となってしまう。
何せ、上手く吹けていた頃は、「この笛となら一生付き合っていける。それくらい大好きだ」と惚れ込んで生き甲斐にまでしていたのだから、その生き甲斐を失ってしまった心の傷と穴は想像以上のもので、半分寝たきり状態になっていたことさえあった。それくらいとんでもないショックを受けたのである。

その後ソプラノサックス、ブルースハープ、ウインドシンセ、オカリナと渡り歩いていくうちに、兄からの勧めでパソコン通信を始めて、パソコン通信で参加した楽器コミュニティに入り浸って、そのおかげで1998年にティンホイッスルの存在を知る。
最初はジェネレーションしか見つからなかったが、インターネットを始めてエルダリーのサイトでチーフテンを知り買ったのが2000年。
そして2001年にオーバートン(現ゴールディ)に惚れ、注文から2ヶ月待って無事に入手する。

その後2003年にサイトつながりでディクソンDX001Dを知り、指穴の押さえやすさとデザインが気に入ってハマる。「キーレス管楽器は難しいけど完全なストレート管で最高!」となる。
その後なぜか2chがきっかけで2008年にディクソンSVの存在を知り、良い意味で完全に狂う。

高速道路のガード下で姫神の「帰らぬ日々」をディクソンSVで吹いていて、原曲本来の低い音域で原曲のキーFmのままで吹きたくなる。
ローホイッスルも考えたが自分には難しすぎると思い、以前からやってみたかったモダンフルートに興味が行き、今度は音が出なくても焦らず冷静に「なぜ音が出ないのか。出てもカスれているのはなぜか」をよく考えるようになり、理想のアパチュアを作るためのアンブシュアを真面目に研究する毎日が始まる。

そして様々なモダンフルートを購入し続け、だいぶ吹けるようになり、ふっと「正しい練習をし直せばピッコロのような小さい横笛もまた昔のように吹けるようになるのではないか」という欲が出てきて、「フルートに比べたらピッコロはアンブシュアがかなりシビアだけど、やってみよう!」と決意して、まずはピッコロのアンブシュアの基礎練習用にtootを購入。
音が出せるようになって調子に乗って一週間後にはディクソンピッコロとファイフを購入。
吹く時に唇が力んでしまう癖が、22年経ってようやく抜けた。
YPC62へのリベンジ心がメラメラと出てきて「どのモダンピッコロを買おうか」と迷っていた日々は浮き足立っており、地に足が着いていなかった。何かを忘れてるぞ自分。

そうだ!! 思い出した!!

愛用してきたティンホイッスルのような完全円筒形デザインのキーレスピッコロ!! それこそが正に私の望んでいたピッコロの理想像だったのだ。
モダンピッコロをやっていた時のデザインへの物足りなさは、それだったんだ。本当は円筒形・水道管シルエットのキーレスピッコロが欲しかったんだ。

でも当時はキーレスだと私には半音を出すことができなかったから楽なフルキーメカニズムのモダンピッコロにしたけど、長年ティンホイッスルで鍛えた半ずらしテクを生かせば、今なら12音階吹ける!
うおお!

イケル! イケルぜ! で、そーゆうちっちゃい横笛、世界中のどっかにないの? きっと私の好みに合うピッタリの運命の人(笛)が・・・

二週間ググりまくる。あった。
水道管シルエットのちっちゃい横笛。YPC62を吹き始めてから24年間無意識に望んでいた横笛の理想の造形とデザインは、これだ!
当時から無意識に抱いていた願望にたった今気付いて目からウロコが落ち、感慨に浸っている。

 

たぶん潜在意識レベルでは、もう一度ピッコロを吹けるようになりたい、という気持ちがあったのだと思う。YPC62事件があまりにもトラウマになっていて、もう一生小さい横笛はおろかエアリード楽器自体永遠に吹けないと思い込んで、ピッコロやファイフへの憧れを心の奥底に封印していたのだろう。
でも今は安心のホイッスル保険があるから、しかもディクソンSVという最高にお気に入りの縦笛があるから、それを逃げ場にして心の支えにしながら安心してピッコロの練習をがんばれるのだ。

最高の縦笛は既に手に入れた。今度は最高の横笛を楽器本体だけでなく演奏技術も手に入れるぞ。

この自分に酔いまくりの笛吹き精神歴史、そのうちサイトにまとめたい。(まとめた)


その後研究と練習をしまくった結果、現在でのピッコロやファイフの腕前は、低い音から順に、1オクターブ目は楽勝で出せるようになり、2オクターブ目の真ん中のGの音までも大体コンスタントに出せるようになり、そこから上の2オクターブ目のハイエンドのC♯までは50%くらいの確率で出せるようになっているほど上達してきている。音が全く1つも出なかった22年前に比べたら信じられないことだし、自分でもかなり驚いている。
今までは「みんなピッコロの音を出せてスゲー」と思っていたが、「わ・・・私もスゲー」となっているところだ。

22年ぶりに吹きこなせるようになってきているし、少しずつ上達もし続けている。これは挫折した当時から失われた22年間を今になってどんどん取り戻しているわけである。
時折一時的に上達が止まることもあるが、今までスマホやPCや紙にメモしておいた自分なりのアンブシュアのノウハウのデータがしっかり残っているので、それを元に基礎練習さえ毎日やっていれば下手になることはありえないし、事実、最低限の基礎レベルの腕前は維持できている。それだけでも充分な安心感である。これは本当に天にも昇る気持ちだ。

「イニシャルD」の藤原拓海のセリフをパロって
この笛の吹き方・・・・・・わかったぜオヤジ!!

 


(心は20歳女/時々4歳幼女だからオヤジじゃないもーん)

 

・・・・・・一人ボケツッコミwww

楽器による心の傷は楽器で癒やすのが一番だし、ピッコロによる心の傷はピッコロで癒やすのが一番なのだ。
私はピッコロという昔の生き甲斐を、ほぼ完全に取り戻しつつある。これ以上の感激と幸せがあるだろうか。

 

今回得た大きな教訓。

練習よりも先に、まず「なぜ上手くできないのか」を研究して熟考して、ある程度の解決策を見出してから、その研究データに基づいた練習をしなければ決して上達はしないし、最悪の場合は22年前の私のように焦って力み返ってムキになって闇雲に息を吹き込み続けることにより下手になってしまって最終的には挫折しかねない。

練習よりも遥かに大事なのは、冷静になって「なぜ上手くできないのか」の研究と熟考と解決策の発見をする努力である。体よりも、とにかく頭を使いまくり知恵を絞りまくることが何よりも重要だ。
これは自分自身への厳しい戒めの言葉である。あの時の絶望など二度と味わいたくはないからだ。

同じく「イニシャルD」で、作戦を全く考えなかったことが原因でバトルに負けた岩城清次に向けてリーダーの須藤京一が言った言葉「いろは坂のサルじゃねぇんだから、ちったぁ頭使えよ」が、まるで22年前の私自身に向けられた言葉のようにも思えた。というか自分で向けた。

今度こそ、どんなことがあってもピッコロを一生続けるぞ。
今まで心の奥底に封印して強引に忘れていたとはいえ、本当に大好きだということを思い出したのだから。

心の奥底に封印していた22年間の想いが、今になってドーッと湧き出てきて感激が止まらず、仕事で疲れ果てていた心がどんどん癒やされ、生きる気力がムクムクと湧いてきている昨今だ。


それにしても、アイリッシュ音楽やアメリカの鼓笛隊は別として、クラシック音楽のオーケストラでは「ピッコロはあくまでもフルートの持ち替え楽器に過ぎない」という位置付けらしい。
ところが私の場合は、まずメイン楽器がピッコロであり、フルートは低音用の持ち替え楽器という感覚が強いのだ。
別にフルートを片手間楽器として見ているのではない。そんな気持ちは毛頭なく、ホイッスルで言えば、高音域の目立つティンホイッスルがピッコロと同じ立ち位置にあり、縁の下の力持ち的な渋い印象のローホイッスルがフルートを連想させ、それぞれに代えがたい特有の魅力があるという考えだ。
くしくも担当する音域がそれぞれほぼ同じであるから、自分で言うのもおこがましいが、とてもわかりやすい。

アイリッシュ音楽のことは全くわからないのだが、その界隈ではティンホイッスルもローホイッスルもどちらも主役であり、どちらがメイン楽器かという観念は無いらしい。
アイリッシュ音楽では昔は高音域の担当はアイリッシュピッコロだったらしいのだが、それが時代の流れでティンホイッスルに取って代わられたという話を聞いたことがある。
だから現代ではティンホイッスルはメーカーも機種も実に数多く存在しているが、アイリッシュピッコロとなるとメーカーも機種も極端に選択肢が限られてしまうほど少ないらしく、事実その通りである。
この現象はピッコロ愛好家の私個人的には大変残念なことだ。

ティンホイッスルもローホイッスルもアイリッシュフルートも、アイリッシュのセッションでは皆同じくらい大活躍しているにも関わらず、アイリッシュピッコロだけが廃れてゆく・・・それが本当ならば実に寂しいことこの上ないではないか。

モダンピッコロなら、どれを選べばいいのかわからない嬉しい悩みを抱えるほど選択肢が実に多いが、キーレスピッコロとなると今言ったように本当に僅かな選択肢しかないのが現状だ。
モダンとキーレス、それぞれ活躍する音楽場面が違うのだから、音楽世界の事情に準じて流行るのも廃れるのも致し方ないことなのだろう。
それはそれで時代の流れとして受け入れるしかないことも充分理解している。

ちなみに日本ではファイフ人口が激減しているらしい。これは少し事情が違うそうで、ファイフは昔は学校の授業で使われていたが音を出すこと自体が子供には難しく、
音量縛りの制約があるとはいえリコーダーのほうが子供でも練習しなくても音自体は簡単に出せるために、学校で使われ出したからであるらしい。

しかしそれでも、いつか近い将来、アイリッシュピッコロもファイフも再び需要が増えて、たくさんの機種が世に出回るようになってほしいものだ。
そうでないと、せっかく昔は高音域担当のメイン楽器として大活躍していたアイリッシュピッコロやファイフなどのキーレス・ミニ横笛たちがかわいそうである。

モダンピッコロもアイリッシュピッコロもファイフも同等に扱ってもらえる、そして同等の需要がある、そんな時代がやってくることを切に願ってやまない。


まだ入荷待ちなのだが、日々の手入れを欠かさずしたいほど大切な、大本命といえるミニ横笛が1本ある。

モルノーの金色リングのBb管ファイフも候補には挙がっていたが、デザインとキーと材質の関係で購入は見送った。なので現時点での本命は上記の1本のみである。

本命はそれでよしとして、仕事に持って行く(つまり万一盗まれたりしてもすぐに代わりを買える量産品の安い)ミニ横笛は何にしようかと考えてみた。

YAMAHAのファイフが2本(うち1本は改造用)あり、Aulosのファイフが1本ある。どちらも気軽に扱える総プラスチック製だ。

そしてディクソンのアイリッシュピッコロが1本ある。
しかしディクソンは歌口周りにあるリッププレートの独特の形状のためなのか他に原因があるのかは今後調べて解明していかないとわからないが、私にはなかなか綺麗な音を出しにくい。
私は頭部管をやや手前に回して吹かないとうまく音が出ないので頭部管が回せるチューナブルなDX015とDX016がいいとは思うし、ディクソンはティンホイッスルにおいても大好きなメーカーなので、できればディクソンのアイリッシュピッコロも増やしたいのだが、上記のリッププレートの形状のためにディクソンのピッコロは自分には向いていないのではないかと思うと、追加購入をためらってしまう。

APMのアメリカンファイフ(金属製のC管)も魅力的なのだが、全管一体型ゆえに頭部管だけを回して歌口を手前に持ってくることができないため、これもやはり購入をためらっている。

頭部管を手前に回して吹かないと綺麗な音を出せないので、篠笛やクリスタルピッコロのようなノンチューナブルの一体型だと私の場合は困る。我ながら困ったものだ。(シャレ?)

まぁ、仕事中は時間の都合もあって基礎練習しかしないのであるから、YAMAHAとAulosのファイフだけで充分のような気もする。

しかし、さすがに仕事には持って行かないとはいえ、趣味用のモダンピッコロを1本欲しいとまで思えてしまうのだから、ミニ横笛の持つ魔力は恐ろしい。
既に立派なミニ横笛狂だ。いいじゃないか、もっと狂おう。


これが現在所有しているミニ横笛だ。

上から、
YAMAHAファイフYRF21が二本(一本は改造用)、AulosファイフC21、Tony Dixonアイリッシュ・ピッコロDXTradPである。

そして、今回オークションで落札したs.m JAPAN製のフォーク・ピッコロ(folk piccolo)商品名コンサイス・ピッコロ(concise piccolo)が届いた。40年くらい前に日本木管楽器という会社が設計・企画・監修して興野製作所という工場が製造していたらしい。そんなの知らなかったわ。

そして・・・

そして更にあと少し待てば、セミ・オーダーメイドのアイリッシュ・ピッコロが届く予定だ。これが先述の大本命のミニ横笛になる。

本当に楽しみだ。

思い返してみれば、ティンホイッスルに出会えてからちょうど20年間吹いてきて、ティンホイッスルというアイリッシュ笛の繋がりでアイリッシュ・ピッコロの存在を知ることができた。
だから、ティンホイッスルに出会えていなかったらアイリッシュ・ピッコロを知ることは一生なかったかもしれない。
ならば尚更ティンホイッスルの存在には感謝したい。

今だからやっとわかったことだが、どうやら私は、笛の外見上のデザインや指穴の数という意味で、アイリッシュ・ピッコロが最も理想の笛だということに気付いた。
モダンピッコロのYPC62を吹いていた時代は、アイリッシュ・ピッコロほどには愛着が湧かなかったからだ。これも今だからわかったことだし当時はそんなことを知る由もなかった。当たり前だw

モダンピッコロから始まりティンホイッスルを経て最終的にファイフやアイリッシュ・ピッコロに出会い、「アイリッシュ・ピッコロこそ自分が求めていた理想の楽器だ」という気持ちに落ち着いた感が、今とても強い。
これ以上好きになれる笛は今のところは見つかっていない。

なのでおそらく、上記の経緯を経てアイリッシュ・ピッコロに出会うことも全て巡り合わせであり運命だったのかもしれない。だとすれば、なんというドラマチックな回り道だったのだろうか。

自分で掴み取った幸福とはいえ、後ろにいる「見えない存在」からの強い強い働きかけがあったのは間違いないだろう。たとえ物質的な幸福であっても、それがきっかけで今後を生きる活力を得たのだから、ただただ感謝である。生きる活力が湧いてこなければ精神の修行など、できるわけがないからだ。
まず体ありき、そして活力ありきで、そこで初めて心の修行をがんばれるというものだろう。少なくとも私はそのタイプ。

ちょっと我ながら詭弁に聞こえるけどまーいいw


キーレスのミニ横笛が最も好きという自分の潜在的な嗜好に気づき、最終的にアイリッシュ・ピッコロへの憧憬に目覚めたわけだが、
仕事中の練習用のファイフはともかく、次なる趣味用(プライベートでの練習用)のミニ横笛はどうしようかと考えてみた。

キーレス好きなのだからハミルトンのキーレス版やモルノーなど他メーカーのアイリッシュ・ピッコロもいいなと思いながら仕事中にヤマハのファイフでサボ練をしていて、ふと気付いたというか、ひらめいたこと。

ちょっと待って? 大本命のアイピ(以下アイリッシュ・ピッコロのことを時々アイピと略すことにする)がもうあるのだから、逆転の発想で、大本命アイピの美しさを際立たせるためにあえて正反対の性質のピッコロを1本だけ所有するのはどうだろう?
つまり、管体全体が水道管シルエットではなく色も黒ではなく材質も木ではなく、そして何よりもキーが付いている、そんなピッコロ。要するに、カラーリングが黒以外の、木以外で出来たモダン・ピッコロのことである。

良い言い方をすれば、大本命アイピとモダン・ピッコロそれぞれの個性を認め、モダン・ピッコロにも魅力をたくさん見つけられるように努力する。

悪い言い方をすれば、当面の間だけとはいえ、モダン・ピッコロには大本命アイピの引き立て役になってもらう。それで大本命アイピの美しさが更に際立つことになる(我ながらすっげーヤなやつ)・・・っと、これは完全な冗談なので本気にしないでほしいのだが、それはさておき・・・

私は正直言って、本当はモダン・ピッコロからももっともっと魅力を感じ取れるようになりたい。そうなれれば、好きなピッコロのタイプが増えて良い事ずくめではないか。楽器に限らず、無関心が好奇心へと変わり、愛情を注ぐ対象が増えるのは、薬にはなっても毒には決してならないだろう。

さて、大本命アイピとは対極な性質のモダン・ピッコロで検討しているのは、GUO(ゴウ)ニューボイス・ピッコロだ。カラーバリエーションが6種類もあるし、オプションで3色くらいをまるで国旗のように配色できるそうなので楽しそうだ。
11万というとヤマハのYPC32よりもやや高い程度なので、割とお手ごろ価格。

同社のニューボイス・フルートのほうは圧倒的にヤバイくらい「かっこいい!」と一目惚れしてソッコー買いしたのは記憶に新しいのだが、どうもニューボイス・ピッコロのほうのデザインは個人的に「なにこれヒョウタンみたいな変な形〜。タイプじゃなーい」としか思わない。それがデザイン面での率直な感想だ。

じゃぁ他の機種にしようかな、とも思ったのだが・・・ただこのニューボイス・ピッコロ、どんな個性的な音色なのかがすごく気になるので、できればこれを選びたい。

ニューボイス・ピッコロはフルートと同じくN響アワーで何度か使われたこともあるらしいので、プロの現場でも通用するほど立派な、かなり完成度の高いものであることは間違いない。だから品質面では心底安心してよさそうだ。

それに何よりも、ツイッターで実際にこの笛を所有していらっしゃる人の、「高音部が出しにくくて困ってたけど、これを吹き始めてからはすごく高音部を出しやすくなって助かってる」という意味のツイートを見て、同じく高音部を出すことが苦手な私はこの笛に一気に惹き付けられたことが大きい。
やはり、いくらアイピと対極の笛を探すにしても、できる限り自分に合った笛を選びたいではないか。どんなにデザインが気に入っても特性が自分に合っていないと苦痛が抜けないのではなかろうか。

ヒョウタンみたいな形は見慣れれば可愛く見えてくるかもしれないからいいとしても、では色は何色にしよっかな。
私が体まで女性ならば迷わずピンクを選ぶのだが、男がそんなピッコロを吹いているのを人に見られたらヘンターイ扱いされること請け合いなので涙を飲んでピンクは諦めるよーうえーんこんちくしょー。


アイリッシュ・ピッコロの美しさを引き立たせるため、などと冗談めいて書いたものの、そういう比較無しに、純粋に個別の存在として単体でモダン・ピッコロを好きになりたい。
いや、今でも既に好きなのだが「好き」の意味合いが違っていて、フルキーゆえにトーンホールを100%確実に塞げられてピッチ合わせ・イントネーション揃えもアイリッシュ・ピッコロに比べれば遥かに楽にできるから好きという、下手くそがほざくなんとも情けない意味の「好き」なのだ。

そうではなく、アイリッシュ・ピッコロの上達のための研究と練習は永遠に続くとして、それとは全く別の領域でモダン・ピッコロ独自の魅力を感じ取れるようになりたい。
まず安定しやすい音程、音色の豊かさ、吹きやすさ、そして最後にデザインの好み・・・と、こういう順番で基準を付けるのが本来の見方だろう。(お値段も大事な基準だが)

楽器をデザインから選別していく私はプレイヤーとして邪道なのだ。自分でよくわかっている。
ある楽器が素晴らしい特性を持っていても私にかかったが最後、デザインのほうを優先されてしまって楽器としての評価を付けてもらえない、そんな悲劇で終わってしまうとは、なんというバッドエンド。

もちろん、それではダメだ。
この歪んだ基準観(?)を直せるように今後は努力したいし、何よりも上手くなりたいからデザインなんかで選んでいる場合ではない。
デザインも見ながらでいいから、性能や特性はもっと重視して選別できるようになりたい。そうしないと私の場合は本当にいつまで経っても下手の横好き状態から脱出できないと思う。

・・・そう思いながら色々なメーカーのモダン・ピッコロを検索しているが、ジュピターやゲマインハートのデザインに後ろ髪を引かれる思いが消えない。いけないいけない。
人間だって外見なんかよりも心が大事でしょ。楽器も中身が大事なんですよ私ちゃん!

仮に、初心者向きでコスパがよくて癖がなくて品質が良くて長持ちして手入れにあまり気を使わずに済んで、消耗部品の在庫を含めたアフターサービスも万全で安心できるという贅沢な条件で選ぶとしたならば、やはりヤマハのプラ管YPC32を選ぶべきだろう。
ってかそれしか選択肢ねーんじゃね?

あるいはもうかなり頑張ってあと二つ上の機種でYPC62Rとか。あの歌口のウェーブが初心者に優しいのは同社のファイフYRF21を毎日サボ練で吹いているから大体予想ができる。

まぁ、今はあまりお金がないので、とりあえず大本命アイピの到着を心待ちにしてキリンになっていよう。


それにしても、私が心底好きになった楽器というのは、どうしてこんなに知名度の低い超マイナー楽器ばかりなのだろうか?
最初のモダン・ピッコロはまぁまぁの知名度があるとしても、ティンホイッスルなんて初めて知った1998年当時は、アイリッシュをやっているか好きで聴いている人くらいにしか知られていなかったので一般の情報はほとんど無いに等しく、パソコン通信フォーラム内やインターネットを検索しまくって、ティンホイッスルを置いていそうな店に電話もかけまくって教えてもらったりして、情報を探すのにかなり苦労したものだった。
それくらい情報があまりにも少なかった。
もちろんティンホイッスルの情報サイトなぞは当時は無かった。
・・・まぁ、だから、「なんでティンホイッスルの情報サイトが無いの!? 無いのなら自分で作っちゃえ!」と思って2001年3月13日にこのサイトを始めたわけなのだが、その話は今は関係ないので省く。

アイリッシュ・ピッコロが正にその極端な例だ。先にも書いたとおり、超マイナーどころか絶滅寸前の保護種のようではないか。まぁそんな嘆きもおいといて・・・

何も別にわざわざ好き好んで超マイナー楽器なぞは選びたくはないのだ。機種自体が少ないし演奏や手入れの方法は資料が最小限しかないor皆無なので独学をかなり頑張るしかないし、情報を探し出すのが大変だしアフターケアをしてくれる業者さんも極端に限られてしまうし、そんな楽器なぞ自分からは選ばない・・・・・・通常ならば。

ティンホイッスルにしろアイリッシュ・ピッコロにしろ、心底好きになった楽器が、どんな時代背景やメーカーがあるのかを「後になってから」調べてみたら、本当にたまたま超マイナー楽器だったというだけの話なのである。
もしティンホイッスルやアイリッシュ・ピッコロが例えばピアノのように誰でも知っている世界的に有名な楽器だったとしても、「大好き」という直感と世間への知名度とは全く関係ないので、やはり直感だけで選ぶに決まっている。
少なくとも私は今までずっとそうしてきた。

それがよりによって絶滅寸前の保護種笛に惚れこんでしまうとは、もう笑うしかない。

しかし別の見方をすれば、超マイナー楽器だからこそ、回り道をしたとはいっても出会わせてくれたことには本当に感謝の念が尽きないし、出会えたありがたみも喜びも倍増するというものだ。
「確率はものすごく低かったはずなのに、こんな超マイナーな楽器に出会えて盲目的に好きになるなんて、あぁ・・・なんという運命的な・・・」という風に。

でも、もうちょっと素直に言えば、今後この笛たちの知名度がもっと上がっていってほしい。いろんな面で苦労が絶えないから。

とか言いながら、演奏法や手入れの方法などで調べものをしなければならないような事態になった時、「やれやれ、またか・・・」と嬉しそうに言う日が増えている今日このごろであるから、超マイナー楽器の悩みは案外、民族楽器を愛する者の特有の幸せなのかもしれないと妙に納得しつつ、今日は筆を置きたい。


(今後も随時加筆予定)


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